学びアイテム04 | 結果<プロセス
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「学ぶための学びアイテム」を探究することで、既存の思考パターンに新しい視点を加え、未来をもっと豊かにすることを目指します
「学ぶための学び」を自らの手で創り出すことができる場として、私たちは皆さんと共にこのプロセスを共有し、探求し続けることを目指します。この「大人の学び部屋」を通じて、共に学び合い、新しい「学びアイテム」を手に入れ、それを活用することで、新たな自分に出会えることを願っています。
学びアイテム04|結果ではなく、プロセスというアイテムを
まわりを見渡すと、「結果がすべて」とされる風潮を感じませんか。仕事での成果、学校での成績、スポーツの勝敗など、あらゆる場面で結果が評価の基準となっています。確かに「結果はとても大切」です。しかし、「すべて」といい切れるでしょうか。今回は、学びアイテムとして「プロセス」という視点から探ってみたいと思います。
勝敗から学ぶ
日本プロ野球界のレジェンドとしていまも語り継がれる故野村克也氏はこのような言葉を残しています。「勝つには偶然があるが、負けるには必ず理由がある」。この言葉は、成功と失敗に対する深い洞察を私たちに示し続けています。それは、勝敗を単なる結果として捉えるのではなく、その背後にあるプロセスを重視する姿勢の大切さを教えてくれます。
野球の試合で勝利を収めることは、時に運や偶然に左右されるかもしれません。しかし、敗北には必ず原因が潜んでおり、その原因を特定し、改善することで、より確実な成功へと近づけることができます。この考え方は、スポーツだけでなく、ビジネスや人生のあらゆる場面においても同様です。
そして、仕事でのプロジェクトが失敗した場合、その原因を分析し、次に活かすことで、次回の成功率を高めることができます。例えば、チームのコミュニケーション方法や問題解決のアプローチを見直すことで、より効率的なプロジェクト運営が可能になったことをよく経験します。
この故野村克也氏の言葉は、結果だけにとらわれず、「プロセス」に焦点を当てることの重要性を教えてくれます。そして、「なぜ?」という問いを投げかけ続けることで、私たちは成長し続けることができるのです。
プロセスに焦点を当てる意義
プロセスに焦点を当てることは、学習科学の観点からも指摘されています。例えば、学習者である学生が試験の結果だけでなく、どのように勉強したかを振り返ることで、次回の試験に向けた効果的な学習方法を見つけることができます。これにより、単なる結果以上の価値を見出すことができるのです。
このプロセスに注目することで得られるメリットは多岐にわたります。まずは、メタ認知の発展です。メタ認知とは、自分の認知の方法を意識し、どのように学んでいるかを理解することです。これにより自己調整学習が促進され、学習者は自分の強みと弱みを把握し、効果的な学習戦略を選択できるようになります。
そして、フィードバックも有効です。結果ではなく、プロセスに焦点を当てることで、学習者はフィードバックを受け取りやすくなります。フィードバックは、学習者がどの部分で改善が必要かを理解し、次のステップに進むための具体的な指針を提供します。
さらに、失敗からの学びも重要です。結果だけに焦点を当てると、失敗がネガティブに捉えられがちですが、プロセスに焦点を当てることで、失敗は学びの一部として捉えることが容易になります。これにより、学習者は失敗を恐れずに挑戦し続けることができます。言い換えれば、結果は表面的である一方で、プロセスはその後の深い理解を追求へと導くことが期待されます。
結果重視の弊害
結果重視の文化は、偽情報を信じやすくする要因ともなり得ます。例えば、ソーシャルメディアでの「いいね」やシェアの数が評価基準となると、衝撃的な内容が優先され、正確性が犠牲にされることがあります。迅速な成果へのプレッシャーや表面的な評価基準、バイアスの強化、ソーシャルメディアの影響、批判的思考の欠如などがその背景にあります。
特に注目すべきは、バイアスの強化です。自分の信念や期待に合致する情報を優先的に探し、信じる傾向である「確証バイアス」がその一例です。確証バイアスにより、反対意見や矛盾する情報を無視しがちになります。これが強まると、正しい情報よりも自分の考えに合った情報を信じやすくなり、情報の質や信頼性が低下するリスクが高まります。これが、情報の多様性を損ない、健全な議論を妨げる結果となるのです。
結果重視の文化は、短期的な成果を追求するあまり、長期的な成長や持続可能な発展を妨げることがあります。例えば、企業が業績を必要以上に意識した結果、社員への育成機会やイノベーションへの投資に手が回らないことが散見されます。これにより、組織全体の競争力が低下し、長期的な成功を描けなくなることが予測されます。
このように、結果重視の文化には多くの弊害が存在します。私たちは、結果だけでなく、その背後にあるプロセスにも目を向けることで、より健全で持続可能な社会を築いていく必要があります。
Take Home Message
「結果 < プロセス」をアイテムとして探ってみました。結果がすべてとされる現代社会において、私たちはしばしばプロセスを見落としがちです。しかし、結果だけにとらわれることには多くの弊害があります。偽情報を信じやすくなったり、確証バイアスによって偏った情報を信じ込んでしまったりするリスクが高まります。また、短期的な成果を追求するあまり、長期的な成長や持続可能な発展を妨げることもあります。
例えば、情報リテラシーを高めることで、ソーシャルメディア上の衝撃的な情報に惑わされず、正確な情報を見極める力を養うことができます。また、批判的思考を養うことで、確証バイアスに陥らず、多角的な視点から物事を判断できるようになります。さらに、フィードバックを活用することで、失敗を学びの機会と捉え、次の挑戦に活かすことができます。
日常生活や仕事、学ぶ機会においても、プロセスに焦点を当てることで、より豊かな成果を得ることが期待されます。私たちが「結果 < プロセス」という学びアイテムを手に入れ、活用することで、新たな自分に出会えることを信じて。
次回の「学びアイテム」にもご期待ください。
この記事を書いた人
プロフィール
Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry
Eli Lilly Japan K.K.
Sales & Marketing
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Sales Operator
HCC Japan LLC
CEO
Waseda University in School of Human Sciences (e-school)
Human Informatics and Cognitive Sciences
Waseda University Senior High School
Teaching Assistant (Information Technology)
会社概要
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"いらすとすてーしょん"は独自のタッチで描いた
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