エントリーシート

1. 新卒採用

先日、大学学部生に就職について相談を受けました。お伺いを進めてみると、「新卒採用を行なっている会社とそうでない会社の違いって何ですか」「私が興味のある業界はあまり新卒採用を行なっていないようなので…」と不安を抱えていました。

中途採用を主に行なっている企業は、間違いなく即戦力を求めています。すぐに成果を出せる人材を探しており、その人の持つスキルと経験が重視されます。

しかし、新卒採用を行なっている企業はどうでしょうか?なぜ社会経験のない(少ない)学生を採用したいと考えているのでしょうか。その答えは、新卒採用には企業ごとに異なる理由があり、その背景には多様な考え方が存在していますを行なっている会社によってそれぞれの考え方があり、確かに、ポテンシャルを重視することは一つの理由ですが、それだけではないと考えています。企業理念やポリシーに共感できるか、ビジョンの達成に向けて共に成長できる人財か、なども大きな要素であると考えます。

新卒採用に挑む際には、その企業がなぜ新卒採用を行っているのか、その理由を理解することが重要です。これが、就活の第一歩ではないでしょうか。企業のウェブサイトや採用説明会を通じて、その企業がどのような人材を求めているのか、なぜ新卒を採用するのかを調べることが成功への鍵と考えます。自分の価値観や目標と一致する企業を見つけることができれば、就職活動はより実りあるものとなるはずです。

※ジョブ型雇用とは、特定の職務や役割に基づいて従業員を雇用する形態であり、各ポジションに求められるスキルや経験が明確に定義され、企業は必要なスキルセットを持つ人材を採用し、適切な人材を最適なポジションに配置します。これにより、従業員は自身の専門性を高めやすく、組織全体としても専門性が高まり、成果を出しやすくなります。ジョブ型雇用の導入は、従業員のキャリア開発を促進し、組織の生産性向上にもつながると期待されています。

2. 内資と外資

ここ最近、大学院生に「どのような企業を考えているのか?」と尋ねると、多くが国内資本の企業を挙げます。理由を聞くと、「外資系企業は厳しそう」「外資は選択肢にない」といった声が返ってきました。

もちろん、今の時代に国内・外国資本といった枠組みで企業を選ぶことは必ずしも必要ではないかもしれません。国内資本の企業でも、世界中で活躍するグローバル企業はたくさんあります。

しかし、外資系企業を少し誤解しているようにも感じています。それは「成果主義」や「競争が激しい」といったイメージが強い点です。これは、戦後日本の国内企業が年功序列制を多く採用してきたことが、延長線的にあるのかもしれません。

実際に、外資系企業では成果を重視する文化が根付いていることは確かですが、それは必ずしもそれが悪いことではありません。自分の努力が直接評価され、キャリアアップのチャンスが多いとも言えます。さらに、外資系企業には柔軟な働き方や、グローバルな視点での仕事ができるという魅力もあります。また年功序列制の見直しを行い、ジョブ型雇用への移行を進めている国内資本の企業が増えていることも事実です。

以上のことから、国内資本の企業を志望している場合でも、一度外資系企業について調べてみる価値は大いにあると考えます。OB・OGに話を聞いたり、企業説明会に参加したりすることで、意外な発見があるかもしれません。新たな視点を持つことで、就職活動の幅が広がり、新たな景色が見えてくるかもしれません。

3. 上手と味があるは違う

そろそろ本題のエントリーシート(ES)について展開してみます。ESの拝見して率直に感じるのは、文章が非常に上手だということです。Chat GPTなどの生成AIの登場も背景あるのか、読み手(採用担当者など)がすらっと、スムーズに読める文章と感じます。しかし、そのような文章は読み終えた時に印象に残らないとも言えそうです。

読み手に「このESに書かれている内容をもっと聞いてみたい」、「この文章を書いた人に会ってみたい」と思わせることができなければ、次へのステップに進むことは難しいでしょう。つまり、文章に「」があるかどうかが大切です。

さらに、多くのESは文字数が制限され、オンラインで提出すること増えています。オンライン提出では、AIによる言語処理で自動採点が行われることもあります。では、どのような点に意識を向ければ良いのでしょうか?

読み手の関心を掴む

最も大切なことは、自分の経験やエピソードを具体的に書くことです。一般的な表現や抽象的な言葉は自動採点ですぐに見破られます。つまり、自分自身のストーリーを具体的に伝えることで、読み手に強い印象を与えられると考えます。また、自分の考えや感じたことを率直な表現で書くことで、個性を表現することができます。

次に、読み手を意識した思いやりを込めて書くことを意識してみてください。この文章は「読み手が興味を持つポイントかな?」を考え、文章を構成することで、自然と「味」が出てくるように感じます。

5.  Take - Home Message

企業の採用ページに必ずどんな人財を求めているのかが記載されています。その企業が求めている人財かどうかを、ESの限られた文字数から判断し、応募者の中から公平に最初の取捨選択を行なっています。つまり、求める要件に適切に答えることが重要です。

そのためには、まず作成した文章を多くの経験者にレビューしてもらうことをオススメしています。自分の言いたいことがしっかりと伝わるかどうか、第三者の視点で確認することで、より魅力的なESに仕上げることができます。また作成した文章は少なくとも1週間は寝かせることも忘れないでください。その時、完璧な文章だとしても1週間後見返すと…意外なことに気がつくことが多いのです。

このようにして、企業が求める人財像に合致する内容を盛り込みながら、自分の個性と経験を具体的に伝えることが、成功するES作成の鍵だと考えます。多くの応募者の中で際立つためには、ただ上手に書くだけでなく、心に響く「味」のある文章を目指してください。

次回は、採用面接について考えていきます

この記事を書いた人

プロフィール

March 1996

Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry

April 1996〜March 2022

Eli Lilly Japan K.K. 

Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator

May 2022~

HCC Japan LLC

CEO

April 2023~

Waseda University in School of Human Sciences (e-school)

Human Informatics and Cognitive Sciences

October 2023~

Waseda University Senior High School

Teaching Assistant (Information Technology)

会社概要

COMPANY PROFILE

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HCCジャパンの提案

歴史は人がつくる
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いらすと
すてーしょん

"いらすとすてーしょん"は独自のタッチで描いた

フリーイラストポートレートと歴史の停車場の提供を通じて

世代を繋ぐ遺産として、そして未来への脈動を提案します