就活とキャリアパス

1. キャリアパスって?

キャリアパスという「キャリア+パス」を合わせた造語を耳にされたことはございますか?

「キャリアパス」という言葉を耳にしたことがありますか?「キャリア」と「パス」を組み合わせたこの言葉は、厚生労働省によると、過去から未来にわたる職務経験と、それに伴う計画的な能力開発の連鎖を意味します。「パス」は「進路」や「道のり」を意味し、キャリアパスは、ある人の職業人生の道筋を指します。この概念は、一般的に「キャリアプラン」として知られており、自身がどのようなキャリアを築いていくかを計画することを指します。

では、一般的なキャリアパスとは何を意味するのでしょうか。キャリアプランが個人の視点から見たキャリア設計である一方、キャリアパスは、企業側から見たキャリア設計を指します。

企業にとってのキャリアパスとは、社員をどのように育成し、どの職位に導いていくかという計画です。具体的には、企業が目指すゴールに向けて、社員にどのような経験を積ませ、どのように昇進させていくかの道筋を立てることを意味します。

2. 就職活動におけるキャリアプラン

自身で描くキャリアがキャリアプラン、企業が描くキャリアがキャリアパスということを理解いただきました。では就職活動におけるキャリアプラン、キャリアパスはどのように考えたら良いのでしょうか。まずは就職活動におけるキャリアプランについて考えていきしょう。

ときに就職活動においては、内定を得ることが一つの目標となることがあります。しかし、その企業でのキャリアスタートがあなたのキャリアプランにおける位置付けと合致しているかを再確認することが大切だと考えています。長い社会人生のスタート地点として、その企業が最適かどうかを考えることは、後のキャリア形成に大きな影響を与えることは言うまでもありません。あなたのキャリアプランを達成するために、その企業でキャリアスタートを行うことが最適と考えられれば、素晴らしいスタートになると想像できます。一方で、もしキャリアプランとかけ離れている場合、遠回りになる可能性もありますが、それが結果的にキャリア形成に役立つこともあります。むしろ急がば回れということも多く存在します。大切なことは、就活前や就活中に、ご自身のキャリアプランを絶えず見直すことだと考えています。

3. 就職活動におけるキャリアパス

ではキャリアパスについてはどうでしょうか。このキャリアパスは、先ほどもお伝えさえていただきました通り、企業側が考えるという点がポイントになります。言い換えれば、あなたがその企業に入社したら、その企業はあなたにどのようなキャリアパスを提供してくれるのかを知ることはとても大切です。まだ採用もされていないのに、キャリアパス??と思われるかもしれませんが、ご自身のキャリアプランと企業側のキャリアパスが大きく乖離している場合、入社後ミスマッチが起こる可能性が高くなると考えます。できれば、ご自身のキャリアプランと企業側のキャリアパスは、最終的に同じ方向を向いていることが望まれます。

しかし、就活中は限られた時間であり、かつあまり深く追求することは、あなたへの印象に影響を及ぼすことが考えられます。そこで面接時では、その企業があなたにどのようなキャリアパスを提供する可能性があるのか、大まかにでも理解することを心掛けてください。そしてこの続きは内定後に、さらに具体的に企業側にキャリアパスについて質問してください。その内容があなたのキャリアプランと合致しているかを確認することは、あなたの最終的な決断の一助となるはずです。

4. キャリアプランの描き方

さて、「キャリアプランってどう描いたらいいの?」とよく聞かれます。キャリアプランというと、「20代で係長、そして40代で課長になって、つぎは部長?」あるいは「管理職になりたくないから、キャリアプランは描けない」といったイメージを持つかもしれません。しかし、ここで強調したいポイントは、キャリアプランは役職そのものを指すものではないという点です。役職は単なるポジションにすぎないからです。

ではポジションとは何でしょうか。わたしの考えるポジションとは「裁量の大きさ」を意味します。例えば課長は係長よりも予算の使い方や人材の配置についての決定権が大きく、部長はさらにその上の裁量を持ちます。もちろん、ポジションが上がるにつれて責任も増すことは言うまでもありませんが。

あなたがどのようなキャリアプランを描くべきかという点に関しては、まず中長期的に成りたい自分の目標を設定し、その目標を達成するために、どのような経験やスキルが必要かを考えることが重要です。

ここで視点を変えて、具体的な例を挙げてみましょう。例えば、あなたがオリンピック選手になるという目標を持ったとします。この目標を達成するために、いきなりオリンピック選手になることは当然ながら不可能です。まずその競技を始める必要があります。そして、他の選手に勝るために、心技体(競技によっては他の要素もあるかもしれません)を磨く必要があります。その後、地区予選を通過し、ブロック大会で勝ち上がり、最終的にオリンピック選考大会で優勝する。この一連のプロセスがオリンピック選手を目指すためのキャリアプランです。

同じように、どの職種(前回の就職活動前に考えることで職種について触れていますので参考にしてください)にもキャアリアプランは存在します。そしてその職種におけるキャリアプランは、さまざまな業界で横断し継続できる可能性もあります。まず、あなたがなりたい職種を見つけ、その職種におけるキャリアプランをどう描くかを考えることが大切です。なりたい職種が明確になれば、そのキャリアプランのヒントは多くのネット情報から容易に見つけることができるでしょう。

そして、今のあなたが描くキャリアプランが完成したら、その分野で活躍する先輩に見ていただくことをオススメします。大学のキャリアセンターやインターンシップ先でのネットワークを活用し、実際の業界の声を聞くことで、キャリアプランをより具体的にすることができます。

5. Take - Home Message

今回は、就活とキャリアパスと題して綴らせていただきました。

最初にキャリアパスとキャリアプランの2つの枠組みがあることをお話しさせていただきました。そして就職活動前にキャリアプランを描くことの大切さを強調させていただきました。キャリアプランは役職ではなく、「成りたい自分」イコール、それはあなたがその企業で「成し得たい仕事」の姿です。このキャリアプランが企業の求める人物像と一致すれば、内定を得やすくなるはずです。一方で、企業側は社員に対してキャリアパスを持っていますこれを事前に知り、確認することは、入社後のモチベーションを高めるためにぜひ必要なアイテムになると考えています。

次回は評価について考えていきます。

この記事を書いた人

プロフィール

March 1996

Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry

April 1996〜March 2022

Eli Lilly Japan K.K. 

Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator

May 2022~

HCC Japan LLC

CEO

April 2023~

Waseda University in School of Human Sciences (e-school)

Human Informatics and Cognitive Sciences

October 2023~

Waseda University Senior High School

Teaching Assistant (Information Technology)

会社概要

COMPANY PROFILE

\ようこそ/
HCCジャパンの提案

歴史は人がつくる
人は歴史をつくる

いらすと
すてーしょん

"いらすとすてーしょん"は独自のタッチで描いた

フリーイラストポートレートと歴史の停車場の提供を通じて

世代を繋ぐ遺産として、そして未来への脈動を提案します