キャリア理論01|シャインの理論.3
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キャリア理論01|シャインの理論.3(組織内キャリアの発達9段階※1)
シャインって
前回は、シャインの理論.2として、3つのサイクルをご紹介しました。今回はシャインの理論.3として「組織内キャリアの発達9段階」をお届けします。
Edgar Henry Schein(1928-2023)アメリカ合衆国で組織心理学分野の心理学者であり、特に組織文化とキャリア発達(8つのキャリア・アンカー)に関する理論で知られています。具体的には、組織と個人の相互作用に着目し、個人の成長がどのように発達するかを理論体系化しました。
組織内キャリアの発達9段階
シャインは、個人のキャリア発達は組織入社前(予期的社会化:nticipatory socialization)※2から始まり、組織への入社、そして組織内でのキャリア発達を通じて、複数の段階やサイクルを経て進行していくと考えました。このプロセスは「組織社会化(Organizational Socialization)」と呼ばれ、環境(組織)と個人の適応プロセスが相互に影響し合います。例えば、大学を卒業して企業に入社する際、大学生という環境を離れ、社会人としての環境に適応するために、新たな言動や服装(例えばスーツ)を身につけることは、組織社会化の具体的な例と言えます。予期的社会化の段階では、将来就きたい職業や組織に対する漠然としたイメージを抱いたり、職業観を形成したりします。入社後も、配置、職務の変化、昇進などの経験を通じて、組織と個人の相互作用が繰り返され、組織社会化は継続していきます。これも組織的社会化の一つです。では、組織内キャリアの発達段階をそれぞれ見ていきましょう。
※1ここでは便宜上大まかに9つの段階で示しています
※2予期的社会化:組織に入る前から始まる、その組織や職業に対する期待やイメージを形成するプロセスのこと
- 第1段階 <成長・空想・探求期> 0~21歳:自分の価値観を見つけ、能力を開発するための教育を受け、体験を重ねる準備段階(組織入社前の段階)。
- 第2段階 <仕事の世界へのエントリー期> 16~25歳:初めて組織に入り、職業に就く時期です。組織における仕事の仕方を学びながら、自分の立ち位置・役割を見出そうとする(キャリアスタートの段階)。
- 第3段階 <基本訓練期> 16~25歳:実際に仕事に取り組み、困難に直面しながらも乗り越え、徐々に組織メンバーとして定着していく時期(仕事を覚える)。
- 第4段階 <キャリア初期の正社員資格> 17~30歳:成功と失敗体験を通じて、上司に認められる欲求が芽生える。またメンターの存在が大きくなる。責任のある仕事を任されるようになり、独立を求める自己と従属させようとする組織の葛藤が生じやすい時期でもある。
- 第5段階 <キャリア中期> 25〜歳:組織の中で明確な立場を確立していく時期。スペシャリストかジェネラリストかの方向性が決まる重要な時期でもある。
- 第6段階 <キャリア中期の危機> 35~45歳:仕事を通じて、自分の価値観や能力をより明確に理解する時期。再認識した価値観を重視する(キャリアチェンジ)か、現状に留まるかの葛藤が生じやすい時期でもあり、目標と現実のギャップに向き合う時期。
- 第7段階 <キャリア後期(指導者 or 非指導者)> 40歳~引退:マネジメントとして組織を束ねる存在か、特定業務のスペシャリストとして専門家になる時期。
- 第8段階 <衰え及び離脱期> 40歳~引退:能力のミスマッチや体力・影響力の衰えにより、組織から少しずつ距離を置き、引退の準備を考え始める時期。仕事中心の生活の終焉を感じる時期でもある。
- 第9段階 <引退> 引退後:ライフスタイル、社会的役割、生活水準など、劇的に訪れる様々な変化を受け入れ、新しい生き方を模索する時期。
組織内でのキャリア発達は、環境と個人の適応プロセスの双方が影響し合い、組織入社前から定着までの複数の段階を経て進行していきます。各段階を理解し、自分が今どの段階にいるのか、そして次の段階をあらかじめ理解しておくことは、変化に対応できる第一歩となります。また、定年の延長や働き方の変化により、従来の引退時期が大きく前後しており、長期的な視点でのキャリアプランニングがますます重要になっています。
いかがでしたか?シャインの組織内キャリアの発達9段階を取り上げました。リモートワークの普及や副業・兼業の増加、ギグエコノミーの拡大、転職の一般化など、働き方の変化が大きく、従来のような時間的経過に伴うキャリア変化は起きにくくなっています。そのため、さまざまなキャリア選択を自己決定で行うことが増えています。そのため、さまざまなキャリア選択を自己決定で行うことが増えています。企業にキャリアを委ねるのではなく、変化の激しい時代に対応するために、自分の強みや弱みを理解し、主体的にキャリアプランを立て、必要なスキルを習得していくことが重要です。ご自身の環境と目標を、今の段階、そして次の段階で理解し、準備しておくことが、主体的なキャリア形成、変化への対応力、自己理解の深化といった、これからのキャリア発達に求められる重要なスキルの一つです。次回は、シャインの理論.4(キャリア・サバイバル)として、変化の激しい時代を生き抜くためのキャリア戦略についてお届けします。
この記事を書いた人
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