キャリア理論01|シャインの理論.4

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「働くためのアイテム」を探究することで、変化の激しい社会の中で、私たち一人ひとりが、主体的に自身の希望や適性、そして能力を生涯にわたって発揮できるます。私たちの未来をより豊かにするために、キャリアにアイディアというエッセンスを加え、働くためのアイテムを一緒に探っていきましょう。

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キャリア理論01|シャインの理論.4(キャリア・サバイバル)

シャインって

前回は、シャインの理論.3として、組織内キャリアの発達9段階※1をご紹介しました。今回はシャインの理論.4として「キャリア・サバイバル」をお届けします。


Edgar Henry Schein(1928-2023)アメリカ合衆国で組織心理学分野の心理学者であり、特に組織文化とキャリア発達(8つのキャリア・アンカー)に関する理論で知られています。具体的には、組織と個人の相互作用に着目し、個人の成長がどのように発達するかを理論体系化しました。

※1 ここでは便宜上大まかに9つの段階で示しています

はじめに…

現代のキャリア環境の変化と自己決定の重要性
現代社会では、技術革新の加速、グローバル化の進展、価値観の多様化により、キャリア環境が大きく変化しています。従来の終身雇用や年功序列といったキャリアパスは過去のものとなり、個々人が主体的にキャリアを形成する必要性が高まっています。リモートワーク、副業・兼業、ギグエコノミーといった多様な働き方も、この変化を象徴しています。このような状況下で、自身のキャリアをどのように維持し、発展させていくのか、つまり「キャリア・サバイバル」が重要なテーマとなります。

シャインのキャリア・サバイバルとは…


シャインは、キャリア発達の理論の中で「キャリア・サバイバル」という概念を提唱しました。これは、変化し続ける環境の中で、個人が自身のキャリアを維持し、成功を収めるための戦略を意味します。単に組織に留まるだけでなく、自身のキャリアアンカー(キャリアにおいて最も重要な価値観や欲求)と組織のニーズを一致させながら、自己成長を続けることが重要です。

キャリアアンカー※2は「自分がどうありたいか」という内面からの視点(インサイド・アウト)であるのに対し、キャリア・サバイバルは「変化する外界にどう適応するか」という外面からの視点(アウトサイド・イン)であるとシャインは述べています。
※2 キャリア・アンカーについてはシャインの理論.1(組織文化とキャリア発達)を参照ください

キャリア・サバイバルのための6つのステップ

  • 現在の職務と役割を棚卸する:自身の現在の仕事内容、責任範囲、求められるスキルなどを明確にします。
  • 環境の変化を識別する: 組織内外の環境変化(技術革新、市場の変化、組織再編など)を把握します。
  • 環境の変化が利害関係者の期待に与える影響を評価する: 環境変化が上司、同僚、顧客など、関係者の期待にどのような影響を与えるかを分析します。
  • 職務と役割に対する影響を確認する: 環境変化が自身の職務や役割にどのような影響を与えるかを具体的に検討します。
  • 職務要件を見直す: 必要に応じて、自身の職務内容や求められるスキルを見直し、変化に対応できるように準備します。
  • プランニング・エクササイズの輪を広げる: 上司や同僚、メンターなどと意見交換を行い、キャリアプランを多角的に検討します。

変化の激しい時代を生き抜くためのキャリア戦略

上記のステップを踏まえ、変化の激しい時代を生き抜くためには、以下のキャリア戦略が重要です。

  • 自己理解の深化: 自身のキャリアアンカーを明確にし、何を大切にしたいのか、どのようなキャリアを築きたいのかを深掘りします。
  • 変化への柔軟な対応: 環境変化に常にアンテナを張り、変化に合わせて自身のスキルやキャリアプランを柔軟に修正することが求められます。
  • 継続的な学習とスキルアップ: 新しい知識や技術を積極的に学び、自身の市場価値を高めることが重要です。
  • ネットワーキングの構築: 社内外の人脈を構築し、情報交換やキャリア相談を行うことで、新たな機会や視点を得ることができます。
  • キャリアオーナーシップの確立: 企業任せにするのではなく、自身のキャリアは自身で責任を持って管理するという意識を持ちましょう。

これらの戦略を実践することで、変化の激しい時代においても、自身のキャリアをしっかりと築き上げることがより現実となります。

現代は、変化が常態化している時代とも言えます。そして従来のキャリア観ではそれぞれの対応が難しくなっています。シャインのキャリア・サバイバルの考え方は、このような時代において、個人が主体的にキャリアを形成し、変化に対応していくための重要な指針となります。自己理解を深め、変化に柔軟に対応し、継続的に学習することで、変化の激しい時代でも充実したキャリアを描くことが可能になります。

次回は、キャリア研究の創始者とも言えるパーソンズのキャリア理論をスタートします。パーソンズの理論.1は「人と職業の適合」の3つの要素についてお届けします。

この記事を書いた人

プロフィール

March 1996

Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry

April 1996〜March 2022

Eli Lilly Japan K.K. 

Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator

May 2022~

HCC Japan LLC

CEO

April 2023~

Waseda University in School of Human Sciences (e-school)

Human Informatics and Cognitive Sciences

October 2023~

Waseda University Senior High School

Teaching Assistant (Information Technology)

会社概要
-COMPANY PROFILE-

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