27|言葉なきコミュマー
HCCジャパンの提案、それが
コミュマー
「コミュニケーション」と「マナー」を融合させたHCCジャパンが提案する新しい考え方です。
人と人とのつながりを築く上で重要なのは、言葉や態度を通じた円滑なコミュニケーションと、相手の価値観や感情に寄り添い、思いやりをもって接するマナーです。これらの要素が一体となることで、より良い関係性を築き、深い信頼関係を育むことができると考え、コミュマーを提案させていただきます。

27|言葉なきコミュマー
こんなとき
会話の中でふと訪れる「沈黙」。多くの人が「何か話さなければ」と焦りを感じ、無理に言葉を埋めてしまう瞬間かもしれません。しかし、その沈黙こそが、相手との関係性を映し出す、まさに「言葉なきコミュマー」の大切な時間であることもあります。「沈黙=気まずい」と捉えるのではなく、「沈黙=信頼の証」として受け止める視点が、「言葉なきコミュマー」です。
沈黙は「意味のある余白」
社会心理学では、沈黙は「非言語的コミュニケーション」の一つとされ、それは単なる言葉の不在ではなく、共感、傾聴、思慮深さといったポジティブなメッセージを相手に伝える手段とされています。特に日本のような高コンテクスト※文化では、沈黙は「敬意」や「調和」を表すものとして肯定的に受け止められる傾向があります。言葉をすべて語らずとも、相手の意図を汲み取ろうとすること、空気を読むことの価値が高い文化だからこそ、沈黙が持つニュアンスはより豊かになります。沈黙は「空白」ではなく、「意味のある余白」であり、この「余白」を意識的に、そして丁寧に共有することで、相手は「この人は私の話を真剣に聞いてくれている」「この人とは深く分かり合える」と感じ、強固な信頼関係が育まれていきます。
※コンテクスト : 思いやり、脈絡、前後関係、場面、状況、背景といった意味を含み、物事を理解する助けとなる情報のこと
「沈黙」を活かすマナー
ビジネスの場では、ともすれば「間」を嫌う風潮があるかもしれません。しかし、できるビジネスパーソンは、この沈黙を「戦略的な間」として意識的に活用しています。たとえば、あなたが渾身の力を込めたプレゼンテーションを終えた後に沈黙が訪れたとします。このとき、焦ってすぐに次の話題へ移ろうとするのは、実にもったいないことかもしれません。 その沈黙は、相手があなたの話した内容を深く咀嚼し、消化しようとしている貴重な時間かもしれないからです。あるいは、質問や意見をまとめようとしているサインの可能性もあります。
ここで大切なのは、すぐに話し続けるのではなく、相手の反応を落ち着いて待つこと。待つことは相手にボールを渡すことでもあります。そうすることで、相手は「自分のペースで考えて良いのだ」と安心し、結果として表面的な「はい、分かりました」ではなく、より本質的な質問や、深い考えに基づいた意見が生まれる可能性が高まります。
この「沈黙」を読む力、そしてその「沈黙」を適切にマネジメントするスキルは、言葉の巧みさ以上に、相手への深い敬意を伝える最高のビジネスマナーです。相手の思考や感情に寄り添う姿勢は、ビジネスにおける信頼関係を揺るぎないものにしていきます。
時代ともに変化する「沈黙」
最近の心理学の研究では、沈黙が心地よく感じられる関係性は、信頼や安心感が高いことの表れとされています。親しい関係ほど、言葉がなくても通じ合える——それは、沈黙を共有できる関係性が築かれている証です。
この「沈黙」の意味は、時代や理論によっても変化してきました。たとえば、クライエントとセラピストとの関係で、ジークムント・フロイトの精神分析においては、沈黙はしばしば「抵抗」や「抑圧の表れ」と解釈されました。クライアントが話すことを避ける沈黙は、無意識の葛藤や防衛機制の一部とみなされ、治療の進行を妨げる「ネガティブな兆候」として扱われることが多かったのです。
しかし、現代の心理療法では、沈黙はより多様で柔軟な意味を持つようになっています。たとえば、橋本真友里氏(2016)の報告によると、沈黙を単なる言葉の欠如ではなく、「前言語的な表現」として捉えています。つまり沈黙は、クライエントが内面と向き合う時間であり、セラピストとの信頼関係の中で自然に生まれる「語らないコミュニケーション」として、治療的な意味を持つとされています。
このように、沈黙は「言葉がない」ことではなく、「言葉を超えた思いやりや信頼の表現」として再評価されているのです。ビジネスの場でも、無理に言葉を埋めるのではなく、沈黙を受け入れ、尊重する姿勢が、信頼を深める「言葉なきコミュマー」につながります。
出典:橋本真友里(2016)「心理臨床における沈黙の概念および沈黙研究の概観と展望」京都大学大学院教育学研究科紀要 第62号
Take - Home Message
HCCジャパンが提案する「コミュマー(Commumare)」の考え方は、コミュニケーションとマナーの融合を通じて、相手との信頼関係を深めることを目的としています。今回は「言葉なきコミュマー」というテーマから、コミュマーを考えてみました。沈黙は「言葉がない」状態ではなく、「言葉を超えた思いやりや深い信頼の表現」として現在は受け止められています。「沈黙」のとき、無理に言葉を埋めようとせず、相手の沈黙を受け入れ、尊重する姿勢を示すことで、相手は「この人は信頼できる」「安心して話せる」と感じるようになります。それは、単なる「間(ま)」ではなく、深い信頼関係を築く「言葉なきコミュマー」です。ぜひ、日々の生活やビジネスシーンの中で、「言葉なきコミュマー」を実践してみてください。今回のコミュマーを通じて、あなたの仕事や生活がより充実したものになることを願っています。

この記事を書いた人
プロフィール
HCC Japan LLC
CEO
Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry
Eli Lilly Japan K.K.
Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator
Waseda University in School of Human Sciences (e-school)
Human Informatics and Cognitive Sciences
Waseda University Senior High School
Teaching Assistant (Information Technology)
Waseda University School of Human Sciences
Teaching Assistant (Collaborative Learning and the Learning Sciences)
会社概要
-COMPANY PROFILE-
\ようこそ/
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いらすと
すてーしょん
"いらすとすてーしょん"は独自のタッチで描いた
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