キャリア理論07|ブリッジズの理論.1

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働くためのアイテム

「働くためのアイテム」を探究することで、変化の激しい社会の中で、私たち一人ひとりが、主体的に自身の希望や適性、そして能力を生涯にわたって発揮できるます。私たちの未来をより豊かにするために、キャリアにアイディアというエッセンスを加え、働くためのアイテムを一緒に探っていきましょう。

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もっと自分らしく生きたい!そう思える社会、そしてより多くの人々が自分自身の人生と向き合い、より豊かな人生を送るきっかけつくりをHCCジャパンはお手伝いします。

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「キャリア理論07」では、ウィリアム・ブリッジズ(William Bridges, 1933–2016)の個人が変化にどう適応していくか「変化(Change)」と「トランジション(Transition)」に焦点を当てて、全4回でお届けします。

キャリア理論07|ブリッジズの理論.1(変化とトランジションの違いとは?)

ブリッジズって?

ウィリアム・ブリッジズ(William Bridges, 1933–2016)は、アメリカの組織コンサルタントであり、講師、著者としても活躍しました。ブリッジズが提唱した「トランジション理論(Transition Model)」は、キャリアや人生の転機において、人がどのように内面的に変化を受け止め、乗り越えていくかを体系的に示したものです。

ブリッジズの理論の核心は、「変化は外で起こる出来事、一方でトランジションは内面で起こる心理的なプロセス」という明確な区別です。この視点は、昇進や転職、退職、組織再編といった出来事に直面したとき、何に向き合うべきかを教えてくれます。

ブリッジズの代表作「トランジション―人生の転機を活かす知恵」は、世界中のキャリア支援や組織開発の現場で活用されており、今なお多くの人の「転機の乗り越え方」に影響を与えています。

変化(Change)とトランジション(Transition)の違い

ブリッジズは、「変化そのものではなく、トランジションへの対処こそが、成功と失敗を分ける鍵」だと強調します。つまり、変化は誰にでも起こるが、それをどう受け止め、乗り越えるかは人によって異なるのです。

スクロールできます
項目変化(Change)トランジション(Transition)
定義外的な出来事:環境や状況が変わること内的な心理プロセス:古い状況を手放し、新しい状況に適応していく心の地図
入社、昇進、退職、異動慣れ親しんだ環境を手放す/新しい役割に適応する
特徴短期的・突発的時間とエネルギーを要する
対処行動の変更感情・意味づけの再構成

キャリア選択におけるトランジションの重要性

自己効力感が高い人は、転職や昇進といった「変化」に対して前向きに決断できます。しかし、その後のトランジションに失敗すると、せっかくの挑戦が停滞や不満につながることもあります。

例:就活大学生の場合
  • 変化(Change):「内定を得て、学生から社会人になる」
  • トランジション(Transition):「学生としての自由な時間やアイデンティティを手放す」「社会人としての責任や期待に慣れる」「新しい職場文化に適応する」

    就職はゴールではなく、新しい自分への移行プロセスの始まりです。
例:社会人の場合(転職・雇用形態の変更)
  • 変化(Change):「新しい会社に入社する」
  • トランジション(Transition):「前職のやり方や価値観を手放す」「新しい人間関係に慣れる」「以前の肩書きへの執着を捨てる」

    転職や雇用形態の変更は、過去の自分との別れと、新しい自分の再定義を伴います。

このような内面的なプロセスを意識的に乗り越えなければ、新しい職場で本来の力を発揮することは難しくなります。

Take-Home Message

キャリアにおける成功は、「何が起こったか(変化)」よりも、「それをどう乗り越えたか(トランジション)」によって決まります。就活生でしたら、内定はスタートライン。社会人になるための「心の準備」が、あなたの成長を左右します。そして、転職や雇用形態の変化では、過去の自分との対話と、新しい自分の創造のチャンスです。

チェック

今、あなたはどの段階にいますか?


「何かを終わらせる時期」かもしれません。
「不安定な中間地帯」にいるかもしれません。
あるいは、「新しい始まり」に向かっている最中かもしれません。

この問いを持つことが、キャリアの転機を乗り越える第一歩になります。

セルフ
ワーク

転機に直面しているかも?と思われる方は、ぜひこの問いを自分に投げかけてみてください。

  • 最近の「変化」と「内面の揺れ」を分けて書き出してみましょう
  • その変化に対して、あなたは何を手放す必要があると感じますか?

キャリアの転機に直面したら、まずは「自分はいま、どの段階にいるのか?」と問いかけてみましょう。

次回は、「キャリア理論08|ブリッジズのトランジション理論.2(3段階:終焉/中立圏/開始)」として、この内的な旅路であるトランジションの具体的な3つの段階と、各段階で何をすべきかを深掘りしていきます。

この記事を書いた人

プロフィール

May 2022~

HCC Japan LLC

CEO

April 2023~

Waseda University in School of Human Sciences (e-school)

Human Informatics and Cognitive Sciences

March 1996

Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry

April 1996〜March 2022

Eli Lilly Japan K.K. 

Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator

October 2023~February 2025

Waseda University Senior High School

Teaching Assistant (Information Technology)

April 2025~ July 2025

Waseda University School of Human Sciences

Teaching Assistant (Collaborative Learning and the Learning Sciences)

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