キャリア理論11|サビカスの理論.1
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「働くためのアイテム」を探究することで、変化の激しい社会の中で、私たち一人ひとりが、主体的に自身の希望や適性、そして能力を生涯にわたって発揮できるます。私たちの未来をより豊かにするために、キャリアにアイディアというエッセンスを加え、働くためのアイテムを一緒に探っていきましょう。
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キャリア理論11|サビカスの理論.1(職業パーソナリティ)
サビカスって?
マーク・L・サビカス(Mark L. Savickas)は、キャリア構築理論(Career Construction Theory)やライフデザイン(Life Design)の分野で国際的に最も影響力を持つ研究者です。オハイオ州立大学をはじめとする大学で数十年にわたりキャリア心理学の教育・研究に従事し、全米キャリア開発協会(NCDA)の会長も務めました。
研究で問い続けてきたのは
“人はなぜ、その仕事を選ぶのか?”
“その選択にはどんな“物語”が込められているのか?”
サビカスは、「適職」という概念に大きな疑問を投げかけました。従来のように「人=性格」「仕事=向き・不向き」という静的なマッチングではなく、個人が経験に意味を与え、自らのキャリアを物語として再構築していく動的プロセスに注目したのです。
1970年代から、彼は一貫して「語り(ナラティブ)」の力を信じ、実証研究・臨床経験・インタビュー分析を膨大に蓄積してきました。そのためサビカスの理論は、
- 学術的に強固
- 実践的で、現場で使いやすい
- 多様な文化で応用可能
という三拍子がそろった数少ない理論です。
今日では欧米のみならずアジアでも広く受け入れられ、「人生の移行期にあるすべての人が、自らの物語の“著者”になるための理論」として、世界中のキャリア支援現場で活用されています。
Mark Savickas Webpage<外部リンク>
職業パーソナリティとは何か?
RIASEC※は性格診断ではなく「自己表現」である
※RIASECについてはこちらをご参照ください
サビカスは、ホランドの六角形(RIASEC)を「個人の特性」として受け継ぎながら、それを大胆に再解釈しました。
RIASECとは、職業的な行動を通じて
「自分は何者でありたいか」を表現するための言語である
これまでのキャリア支援では、
- 「R(現実的)な数値が高い→技術職に向いている」
- 「A(芸術的)な興味がある→クリエイティブな仕事が合っている」
といった適性診断として扱われることが一般的でした。しかしサビカスは、結果そのものより
- なぜその興味に惹かれたのか?」
- 「その行動を通じて自分は何を表現したかったのか?」
という「背景の意味」に注目しました。つまりRIASECは、あなたが自分を表現するために選んできた語彙(ボキャブラリー)なのです。
選んだ道の裏側にある「個人的な関心」を掘り起こす
サビカスは、人のキャリア行動を方向づけるのは数値化できる能力(アビリティ)より、個々が大切にしている「個人的な関心(Personal Concerns)」だと強調します。
同じ「カフェ店員」という経験でも、そこに込めた意味は人によってまったく違います。
- 人と関わることに喜びを感じた人
- 仕組みを改善することにワクワクした人
- 居心地のよい空間をつくることに惹かれた人
履歴書には同じ「カフェ店員」としか書かれません。しかしサビカスは、その選択を動かした「理由の物語」こそが職業パーソナリティの核心だと捉えました。
たとえばこんな経験がありませんか?
- なぜ、あの部活を選んだのか?
- なぜ、そのバイトを続けたのか?
- なぜ、その仕事に惹かれたのか?
外的な理由(時給・距離・おすすめされた等)ではなく、その瞬間の自分は、何を求め、何に反応していたのか。サビカスは、こうした小さな選択の中にその人が生きる「人生のテーマ(Life Theme)」の断片が隠れていると考えました。
バラバラに見える経験は、「個人的な関心」という糸でつなぐことで、あなただけの物語として浮かび上がります。
RIASECの「静的→動的」への転換
サビカスは、ホランドのRIASEC(現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的)という指標を、単なる「ラベル」から「ストーリーを読み解くツール」へと転換させました。次のような対比が有効です。
静的な理解(従来の適正診断)
- 向いている職業を分類する
- 自分の性格をタイプ分けする
- 当てはまる職を探す
動的な理解(サビカス流)
- 自分がどんな行動を選び、どう表現してきたかを知る
- 自己概念を物語(ストーリー)として捉える
- 過去の意味づけを手がかりに、未来を構築する材料にする
「私はS(社会的)タイプだから営業向き」というラベルとして受け取ります。しかしサビカスの問いかけはこうです。
「なぜ私は、S(社会的)という役割を選んで生きてきたのだろう?」
この問いを立てた瞬間、RIASECはあなたを縛る型から、あなたの物語を語る言葉へと変わります。
Take-Home Message
「適正」という名のラベルを剥がし、「人生の著者」としてのペンを持つ
サビカスが伝えてくれるのは、あなたのキャリアの歴史は、偶然ではない
という確信です。
- RIASECはあなたを分類するための型ではなく、あなたが自分を表現するために選んできた言葉である。
- 能力(アビリティ)以上に、何を大切にしたいか(個人的な関心)を信じてよい。
- 過去の小さな選択の裏側には、あなたにしか語れない「物語の種」がある。
まずは、自分の歩んできた道を「意味のコレクション」として見つめ直してみてください。あなたは、自分の人生という物語の唯一無二の 「作者」 なのです。
次回は、「キャリア理論11|サビカスの理論.2(キャリア・アダプタビリティ(前編))です。自分の「物語」の輪郭が見えてきた次に必要となるのは、変化の激しい時代をしなやかに生き抜く適応力(アダプタビリティ)です。ドナルド・スーパーの「キャリア成熟」を、サビカスがいかに21世紀型の適応概念へと進化させたのかを深掘りします。

この記事を書いた人
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HCC Japan LLC
CEO
Waseda University in School of Human Sciences (e-school)
Human Informatics and Cognitive Sciences
Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry
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Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator
Waseda University Senior High School
Teaching Assistant (Information Technology)
Waseda University School of Human Sciences
Teaching Assistant (Collaborative Learning and the Learning Sciences)
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