評価
1. 評価の種類
これまで評価を受けたことのない人は、ほとんどいないと思います。試験や競技など、私たちはさまざまな場面で評価を受けています。
その評価には、さまざまな形があります。例えば、採用試験では採用や不採用がはっきりと決まります。絶対評価では及第点が設定されており、その点数を超えれば合格になります。一方で、相対評価では集団内での順位や位置付けによってランク付けされます。その他にも自己評価であったり、他者評価として360度フィードバックや顧客評価のような評価も多く用いられています。
2. 評価の意味を考える
現代社会において、評価はわたしたちの生活に切っては切り離せない存在です。そして、なんらかの評価をいまこの瞬間にも受けているかもしれません。その評価の結果に一喜一憂することも多いと思います。そして、良い評価からも、悪い評価からも学ぶことで、さらに成長の機会が与えられることは言うまでもありません。ではその良い評価、悪い評価とはなんでしょうか。点数がよければ良い評価、点数が悪ければ悪い評価なのでしょうか。
特に義務教育、高等学校においては、明確な答えがある問いに対しては、正答率が絶対的な意味を持ちます。たとえば算数の問題では答えが明確であり、正答率によってその人の学力が評価されます。しかし、答えが明確でない場合の評価はどうなるのでしょうか。
答えが明確でない場合、評価は非常に複雑になります。このような場合には、定性的な要素を数値化することが一般的です。例えば、先日のパリ・オリンピックで初めて採用されたブレイキング(ブレイクダンス)では、技の正確さだけでなく、創造性、リズム感、表現力など、数値化が難しい要素が評価の対象となっていました。審査員(評価者)は、これらの要素を総合的に判断し数値で評価しますが、そこには審査員個々の主観が反映されることは避けられません。
ここで、評価の意味について考えてみましょう。答えが明確であってもなくても、評価は常に特定の枠組みの中で行われていることに気付きます。たとえば、「10 -1=9」という算数の問題は、四則演算という枠組みの中で「9」という答えが出ますが、二進法では「1」という答えになります。つまり、評価には必ず枠組みが存在し、その枠組みの中で結果が評価されているのです。
3. 評価は、その時の枠組みのみ有効
少しここで整理しましょう。明確な答えがある場合でも枠組みによって答えが異なることを先ほど示しました。
- 四則演算 10-1=9
- 二進法 10-1=1
では、明確な答えがない採用面接での評価の場合はどうでしょうか。たとえば、コミュニケーション能力や問題解決能力、そして協調性などが評価されますが、その枠組みは業界や職種によって異なります。
コミュニケーション能力(一例)
- エンジニアの場合:社内のコミュニケーション能力が重要視され、社員間での自己主張や協調性を評価
- 営業職の場合:社外のコミュニケーション能力が重要視され、顧客のニーズを引き出す傾聴力や交渉スキルを評価
このように評価は特定の枠組みに基づいて行われるため、その枠組みに適合するか否かが重要になります。企業の枠組みに合致すれば次のステップに進むはずですが、合致しない場合でも、その評価があなた自身を否定しているわけではありません。評価はあくまで特定の枠組みに基づくものであり、あなたの人格や人間性を否定するものではありません。このことを理解した上で、再度企業の持つ枠組みや評価基準を振り返りつつ、自分を見失わないことが大切です。改善が必要なところは修正し、強みはさらに理解していただくよう工夫をすることが成長につながると考えています。
また、社員となれば、いずれ人事評価を受けることになります。これが半期に一度、あるいは年に一度であれ、上司も部下もこの評価の場面に直面します。この際、評価の枠組みに基づいて評価を行い、または受けることが非常に重要です。枠組みのない評価は主観的になりやすく、例えば「頑張っている」や「態度が気に入らない」といった感情的な要素が評価に影響を及ぼすことになります。しかし、人事評価はあくまでも評価の枠組みに基づいて行われるべきであり、先ほど述べたように、その人の人格や人間性を否定するものではありません。良い評価を受けた際にも、悪い評価を受けた際にも、その評価の根拠を理解することが重要です。特に悪い評価を受けたときは、次回の評価に向けて、評価の枠組みをしっかりと理解し、その枠組みに合致したパフォーマンスを向上させることが大切です。
5. Take - Home Message
今回は、評価と題して綴らせていただきました。
評価は、わたしたちの生活の中で避けられないプロセスであり、さまざまな形で私たちに影響を与えます。しかし、評価は常に特定の枠組みに基づいて行われるものであり、その枠組みに適合しているかどうかで判断されています。そして意図しない結果を受けたとしても、その評価はあなた自身を否定するものではなく、その枠組み内でのパフォーマンスを評価しているに過ぎないことを理解することが大切です。
自分が受けた評価がどのような枠組みに基づいているのかを理解し、その枠組みの中でどのように改善できるかを考えることで、評価を成長の機会として活用することができます。評価の結果に一喜一憂するのではなく、その背後にある評価基準や枠組みを冷静に見つめ直し、次のステップに向けて自己成長に繋げていく姿勢を持つことが、成長する、そして成功への鍵となると考えています。
この記事を書いた人
プロフィール
Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry
Eli Lilly Japan K.K.
Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator
HCC Japan LLC
CEO
Waseda University in School of Human Sciences (e-school)
Human Informatics and Cognitive Sciences
Waseda University Senior High School
Teaching Assistant (Information Technology)
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"いらすとすてーしょん"は独自のタッチで描いた
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