キャリア理論01|シャインの理論.1


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キャリア理論01|シャインの理論.1(組織文化とキャリア発達)

シャインって

Edgar Henry Schein(1928-2023)は、アメリカ合衆国で組織心理学分野の心理学者であり、特に組織文化とキャリア発達(8つのキャリア・アンカー)に関する理論で知られています。具体的には、組織と個人の相互作用に着目し、個人の成長がどのように発達するかを理論体系化しました。

組織文化の理論

組織文化とは、組織のメンバーが共有する基本的な仮定、価値観、信念の集合です。シャインはこれを文物(Artifacts)、標榜されている価値観(Espoused Beliefs and Values)、基本的仮定(Basic Assumptions)の3つのレベルで説明しました。

  • 文物(Artifacts):組織の中で目に見えるものや行動を指します。例えば、オフィスのレイアウト、ドレスコード、会議の進め方、社内イベントなどです。これらは組織の文化を外から見たときに最初に気づく部分です。
  • 標榜されている価値観(Espoused Beliefs and Values):組織が公に掲げている理念や方針です。例えば、「顧客第一主義」や「チームワークの重視」などです。これらの価値観は、組織のメンバーがどのように行動するべきかを導く指針となります。ただし、掲げている価値観と実際の行動が一致するとは限りません。食い違いがあるとき、行動を本当に方向づけているのは、次の「基本的仮定」です。
  • 基本的仮定(Basic Assumptions):組織のメンバーが無意識に共有している前提や信念です。例えば、「人は基本的に信頼できる存在である」とか「仕事は人生の重要な一部である」といったものです。これらの仮定は、組織の深層に根付いており、日常の行動や意思決定に大きな影響を与えます。

このように、組織文化は目に見える部分(文物)から、組織が掲げる価値観、そして最も深い部分にある基本的仮定まで、さまざまなレベルで構成されています。これらが組み合わさって、組織の独自の文化を形成しています。

キャリア発達の8つのキャリア・アンカー

シャインは、個人がキャリアを選択するときの拠り所を「キャリア・アンカー(船の錨)」と名付けました。キャリア・アンカーは、①自分は何が得意か(才能・能力)、②自分は何をしたいのか(動機・欲求)、③何に意味や価値を感じるのか(価値観)、という3つの自己イメージが組み合わさったものです。これは頭の中だけで決まるものではなく、実際に働いて数年の経験を重ね、成功や失敗を経験する中で次第にはっきりし、安定していきます。そして、難しいキャリア選択を迫られたときに「これだけは手放したくない」と感じる拠り所となります。シャインは、MITスローン経営大学院の卒業生44名を10年以上にわたって追跡した研究からこの概念を導き、その後の研究も踏まえて、専門・職種別コンピテンス、全般管理コンピテンス、自律と独立、保障と安定、起業家的創造性、奉仕・社会献身、純粋な挑戦、生活様式の8つに整理しました。

  • 専門・職種別コンピテンス:特定の専門分野や職種でのスキルや知識を高めることに重きを置くタイプです。例えば、エンジニアが技術力を磨くことに情熱を持つ場合です。
  • 全般管理コンピテンス:これは、組織全体を管理する能力を重視するタイプです。リーダーシップやマネジメントスキルを発揮し、組織の運営に関わることにやりがいを感じます。
  • 自律と独立:組織のルールや規則に縛られず、自分のやり方・自分のペースで仕事を進めることを重視するタイプです。なお、新しい事業を自分の力で起こすこと自体への意欲は、後に出てくる「起業家的創造性」に当たります。
  • 保障と安定:雇用や収入の安定、先の見通しが立つことを重視するタイプです。
  • 起業家的創造性:新しいビジネスやプロジェクトを立ち上げることに情熱を持つタイプです。創造性や革新性を発揮することにやりがいを感じます。
  • 奉仕・社会献身:世の中を良くしたい、人の役に立ちたいといった価値観を、仕事を通じて実現することを重視するタイプです。
  • 純粋な挑戦:困難な課題に挑戦することを楽しむタイプです。問題解決や競争を好み、常に新しい挑戦を求めます。
  • 生活様式:仕事とプライベートのバランスを重視するタイプです。家族との時間や趣味を大切にしながら働くことを目指します。

なお、キャリア・アンカーは職業の種類とは一致しません。同じ職業でも、人によってアンカーは異なります。

シャインの理論では、これらのキャリア・アンカーが個人のキャリア選択に大きな影響を与えるとされています。自分のキャリア・アンカーを理解することで、より満足度の高いキャリアを築く手助けになります。このように、キャリア発達は個人の価値観や動機に基づいて進んでいくものであり、組織内での役割や成長と密接に関連しています。

いかがでしたか?働く多くの方は、組織の中でキャリアを形成しています。そのため、組織の中で、個人のキャリアがどのように作られ、その過程にどのような課題や問題があるのかを理解することの大切さを、シャインは説いています。今回は、組織文化とキャリア発達の8つのキャリア・アンカーをお届けしました。次回は、シャインの理論.2(3つのサイクル)についてお届けします。

この記事を書いた人

プロフィール

March 1996

Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry

April 1996〜March 2022

Eli Lilly Japan K.K. 

Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator

May 2022~

HCC Japan LLC

CEO

April 2023~

Waseda University in School of Human Sciences (e-school)

Human Informatics and Cognitive Sciences

October 2023~

Waseda University Senior High School

Teaching Assistant (Information Technology)

会社概要
-COMPANY PROFILE-

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