キャリア理論06|バンデューラの理論.2
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「働くためのアイテム」を探究することで、変化の激しい社会の中で、私たち一人ひとりが、主体的に自身の希望や適性、そして能力を生涯にわたって発揮できるます。私たちの未来をより豊かにするために、キャリアにアイディアというエッセンスを加え、働くためのアイテムを一緒に探っていきましょう。
挑戦し続ける力
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キャリア理論06|バンデューラの理論.2(自己効力感を形成する4つの要因)
前回の振り返り
前回(バンデューラの理論.1)では、「自己効力感(Self-Efficacy)」とは何かをお届けしました。
自己効力感とは、自己効力感とは、「自分ならできる」という信念です。高い自己効力感を持つ人は、不確実なキャリアの分岐点でも積極的に挑戦し、粘り強く取り組みます。逆に、低い自己効力感を持つ人は、挑戦を避け、現状維持を選びがちです。では、このキャリアを切り拓く信念は、どのように形成されるのでしょうか? バンデューラは、自己効力感が生まれつきではなく、経験や環境によって意識的に形成できると述べています。その形成要因は、次の4つです。
達成経験(Mastery Experiences)
最も強力な要因は「成功体験」です。人は、自分でやり遂げた経験を通じて「できる」という確信を強めます。
心理メカニズム: 成功体験は「自己強化」につながり、挑戦へのハードルを下げます。小さな成功であっても、「自分は成長できる」という感覚を掴むことが自信の核となります。
ビジネスでの応用例:
- 新しい業務に着手する際、小さなタスクに分け、段階的に成功体験を得る。
- 管理職は、経験の浅い社員に、少しストレッチな小規模プロジェクトを任せ、成功体験を意図的に創出する。
注意点: 過大な課題にいきなり取り組む、また与えると失敗体験が積み重なり、自己効力感は大きく低下します。
代理経験(Vicarious Experiences)
次の要因として、他人の成功を見て「自分にもできる」と思えることです。特に、自分と似た立場の人の成功は強い影響を与えます。
心理メカニズム: 「社会的比較」によって、自分の可能性を再評価する機会となります。ロールモデルの存在が、「挑戦の現実感」を高め、行動への動機付けとなります。
ビジネスでの応用例:
- 社内で成功事例を共有する「キャリアストーリーセッション」などで、自分と近い経歴の社員から情報を得る。
- メンター制度で、類似するキャリアパスを歩んだ先輩と接点を持たせ、成功の道のりを具体的にイメージさせる。
注意点: 比較対象が遠すぎると逆効果となり、「あの人は特別だから」と諦めにつながる場合があります。
言語的説得(Verbal Persuasion)
「あなたならできる」という他者からの言葉の力を得ることです。信頼できる人からの励ましやフィードバックは、自己効力感を高めます。
心理メカニズム: 言葉で「期待」を伝え、行動のモチベーションを引き出します。特に、上司やメンターなど影響力のある人の言葉は、困難に直面した際の心の支えとなり強い効果を持ちます。
ビジネスでの応用例:
- 上司より「君ならできる。なぜなら、あの時この課題を解決した経験があるからだ」と具体的な理由を添えて伝える。
- 1on1などで「過去の成功体験」を振り返り(リフレクション)ながら自信を強化する。
注意点: 根拠のない励ましは逆効果となり、「口だけ」と感じると信頼を損ない、喪失感につながります。
生理的・情緒的状態(Physiological & Emotional States)
心と体のコンディションが「できる感覚」に影響を及ぼします。例えば、緊張や不安が強い環境下の場合、「無理だ」と感じやすくなります。
心理メカニズム: 過度なストレスや疲労は「認知の歪み」を生み、自己評価を下げることがわかっています。一方で、リラックスしている状態やポジティブな感情は、「挑戦意欲」を高める土台となります。
ビジネスでの応用例:
- プレゼン前に深呼吸で呼吸を整えたり、軽い運動で緊張を和らげるなど、心身の状態を意図的にコントロールする。
- 睡眠、食事、運動など生活リズムを整え、心身のベースラインを維持する。
注意点: 慢性的なストレスや過労は、自己効力感を長期的に低下させる主要因となります。
Take-Home Message
自己効力感は、偶然に任せるものではありません。「小さな成功を積み重ねる」「ロールモデルの存在」「励ましの言葉を力にかえる」「心身のコンディションを整える」、この4つを意識的に積み重ねることで、キャリアのエンジンは確実に強化されます。
もし今、「新しい役割に挑戦する勇気が出ない」、「新しい仕事やスキルアップに不安を感じる」などが生じていれば、この4つの要因を一つずつ整えることから始めてください。
次回は、「キャリア理論06|バンデューラの理論.3(自己効力感とキャリア意思決定・行動)」として、なぜ自己効力感がキャリアの分岐点を決めるのか?を、実際の意思決定シーンを交えて深掘りしていきます。

この記事を書いた人
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Waseda University in School of Human Sciences (e-school)
Human Informatics and Cognitive Sciences
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Waseda University School of Human Sciences
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