キャリア理論03|ホランドの理論.3
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キャリア理論03|ホランドの理論.3(5つの概念)
ホランドって
前回は、ホランドの理論.2として、スリーレターコード:Three-Letter Personality Codesをご紹介しました。今回はホランドの理論.3として「5つの概念」をお届けします。
John L. Holland(1919-2008)は、アメリカ合衆国の心理学者でした。第二次世界大戦での様々な経験から、個人の性格特性と仕事の種類の間に関連性があることに気づきました。その後、復員兵の職業指導に携わる中で、この考えを深め、独自のキャリア理論を構築しました。彼は、個人の性格特性と働く環境との適合性が職業選択やキャリアの満足度に大きく影響するという考えに基づき、人の性格特性と働く環境をそれぞれ6つのタイプに分類し、それらを六角形に配置したモデルを提唱しました。
ホランドの理論の復習
ホランドの理論は、個人の性格特性と働く環境の適合性が、職業選択やキャリアの満足度に大きく影響するという考えに基づいています。
つまり、「自分に合った仕事ってなんだろう?」を解決する一つのアイテムである自分に合った仕事を見つけるための羅針盤です。
ホランドのキャリア理論を理解するためには、まずRIASECモデルとスリーレターコードをおさえてください。これにより、ホランドの理論に基づく5つの概念(一貫性:Consistency、分化:Differentiation、適合性:Congruence、、計測性:Calculus、職業的アイデンティティ:Vocational Identity)理解につながります。
5つの概念
ホランドのキャリア理論における5つの概念は、個人の職業選択やキャリア発展において重要な役割を果たします。一貫性 (Consistency)は、個人の興味や性格タイプがどれだけ調和しているかを示し、分化 (Differentiation)は、興味や性格タイプがどれだけ明確に区別されているかを示します。適合性 (Congruence)は、個人の性格タイプと職業環境の一致度を示し、計測性 (Calculus)は性格タイプと職業環境の関係を数値的に評価します。最後に、職業的アイデンティティ (Vocational Identity)は、個人が自分の職業に対してどれだけ明確なイメージや目標を持っているかを示します。これらの概念を理解することで、自己理解を深め、最適なキャリア選択が可能になります。では、一つずつみてみましょう。
一貫性 (Consistency)
スリーレターコードのタイプがどれだけ調和しているかを示します。隣接するタイプ同士が一貫性が高く、対角線上にあるタイプ同士は一貫性が低いです。一貫性の高いスリーレターコードは、個人の興味や性格タイプが調和していることを示し、職業選択においても安定した選択が期待されます。
例
一貫性が高い: 「RIA」 - 現実的 (R)、研究的 (I)、芸術的 (A) は隣接しているため、一貫性が高いです。
一貫性が低い: 「RAE」 - 現実的 (R)、芸術的 (A)、企業的 (E) は対角線上にあるため、一貫性が低いです。

分化 (Differentiation)
個人の興味や性格タイプがどれだけ明確に区別されているかを示します。特定のタイプの数値が高く、他のタイプの数値が低い状態を分化しているといいます。逆に、すべてのタイプの数値が均等に高い、または低い場合は未分化とされます。
例
分化が高い: ある人のRIASECスコアが以下のような場合:
- 現実的 (R): 90
- 研究的 (I): 85
- 芸術的 (A): 20
- 社会的 (S): 15
- 企業的 (E): 10
- 慣習的 (C): 5
分化が低い: ある人のRIASECスコアが以下のような場合:
- 現実的 (R): 60
- 研究的 (I): 55
- 芸術的 (A): 50
- 社会的 (S): 45
- 企業的 (E): 40
- 慣習的 (C): 35
この場合、すべてのタイプのスコアが均等に近いため、分化が低いといえます。
分化が高い場合、個人の興味や性格タイプが明確に区別されているため、特定の職業に対する適性がはっきりしています。逆に、分化が低い場合は、幅広い職業に対する適性があるかもしれませんが、特定の職業に対する強い適性は見られないことが多いです。
適合性 (Congruence)
個人の性格タイプと職業環境の一致度を示します。性格タイプと職業環境が一致するほど、職業満足度や成功が高まります。
例
適合性が高い: ある人のスリーレターコードが「SIA」(社会的、研究的、芸術的)であり、その人がカウンセラーとして働いている場合。この職業は人と関わり、問題解決や創造的なアプローチを必要とするため、性格タイプと職業環境が一致しており、適合性が高いといえます。
適合性が低い: ある人のスリーレターコードが「REC※」(現実的、企業的、慣習的)であり、その人がアーティストとして働いている場合。この職業は創造性や自由な発想を重視するため、性格タイプと職業環境が一致しておらず、適合性が低いといえます。
※RECタイプに向いていると思われる職業:プロジェクトマネージャー、製造業の管理職など
適合性が高い場合、個人は職業に対して高い満足度を感じ、仕事で成功しやすくなります。逆に、適合性が低い場合は、職業に対する不満やストレスが増える可能性があります。
計測性 (Calculus)
ホランドの六角形モデルを用いて、個人の性格タイプと職業環境の関係を数値的に評価する方法です。これにより、性格タイプと職業環境の一致度を定量的に測定できます。
例
ある人のスリーレターコードが「SIA」(社会的、研究的、芸術的)であり、その人がカウンセラーとして働いている場合を考えます。この場合、ホランドの六角形モデルを用いて、以下のように評価します。
社会的 (Social - S): カウンセラーの仕事は、人と関わり、支援することが主な役割です。したがって、社会的な要素が非常に高いです。
研究的 (Investigative - I): カウンセラーの仕事には、クライアントの問題を分析し、解決策を見つけるための調査や研究が含まれます。したがって、研究的な要素も高いです。
芸術的 (Artistic - A): カウンセラーの仕事には、創造的なアプローチや柔軟な思考が求められることがあります。したがって、芸術的な要素も含まれます。
このように、ホランドの六角形モデルを用いて、個人の性格タイプ(SIA)と職業環境(カウンセラー)の一致度を数値的に評価することで、適合性を定量的に測定できます。この評価により、個人がその職業にどれだけ適しているかを具体的に理解することができます。
職業的アイデンティティ (Vocational Identity)
個人が、自分の職業に対してどれだけ明確なイメージや目標を持っているかを示します。職業的アイデンティティが高い人は、自分のキャリア目標や職業選択に対して強い確信を持っています。
例
ある人が「SIA」(社会的、研究的、芸術的)のスリーレターコードを持ち、カウンセラーとして働いている場合を考えます。
明確なキャリア目標: この人は、カウンセラーとしてのキャリアを築くために、具体的な目標を持っています。例えば、特定の資格を取得し、専門分野での認知度を高めることを目指しています。
職業に対する強い確信: この人は、自分の性格タイプ(SIA)がカウンセラーの職業に非常に適していると確信しています。人と関わり、問題解決を支援し、創造的なアプローチを取ることができるため、職業的アイデンティティが高いです。
自己理解と職業選択の一致: 自己分析を通じて、自分の強みや価値観がカウンセラーの職業に合致していることを理解しています。このため、職業選択に対する満足度が高く、長期的なキャリアプランを持っています。
このように、職業的アイデンティティが高い人は、自分のキャリア目標や職業選択に対して強い確信を持ち、職業に対する満足度や成功の可能性が高まります。
5つの概念のまとめ
ホランドのキャリア理論における5つの概念は、個人の職業選択やキャリア発展において重要な役割を果たします。まず、一貫性 (Consistency) は、スリーレターコードのタイプがどれだけ調和しているかを示し、隣接するタイプ同士が一貫性が高いことを意味します。次に、分化 (Differentiation) は、個人の興味や性格タイプがどれだけ明確に区別されているかを示し、特定のタイプの数値が高く他のタイプの数値が低い状態を指します。適合性 (Congruence) は、個人の性格タイプと職業環境の一致度を示し、一致するほど職業満足度や成功が高まります。計測性 (Calculus) は、ホランドの六角形モデルを用いて性格タイプと職業環境の関係を数値的に評価する方法です。最後に、職業的アイデンティティ (Vocational Identity) は、個人が自分の職業に対してどれだけ明確なイメージや目標を持っているかを示します。これらの概念を理解し、自己分析やキャリア選択に活用することで、より適切な職業選択が可能になります。
RIASECモデルとスリーレターコードから導き出されたメッセージより、5つの概念を通じて意味を理解し、その理解を、自己分析やキャリア選択に活用することで、より適切な職業選択が可能になり、充実したキャリア形成の一助となります。
ここまで、ホランド理論.3として「5つの概念」について、ご紹介しました。次回は、ホランド理論.4としてホランドのキャリア理論を発展させたプレディガーの「ワーク・タスク : Work-Task」ついてお届けします。

この記事を書いた人
プロフィール
Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry
Eli Lilly Japan K.K.
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HCC Japan LLC
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Waseda University in School of Human Sciences (e-school)
Human Informatics and Cognitive Sciences
Waseda University Senior High School
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