キャリア理論04|スーパーの理論.4

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「働くためのアイテム」を探究することで、変化の激しい社会の中で、私たち一人ひとりが、主体的に自身の希望や適性、そして能力を生涯にわたって発揮できるます。私たちの未来をより豊かにするために、キャリアにアイディアというエッセンスを加え、働くためのアイテムを一緒に探っていきましょう。

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キャリア理論04|スーパーの理論.4(アーチ・モデル)

これまで、ドナルド・E・スーパーのキャリア発達理論を3回にわたって紐解いてきました。自己概念を土台とし、ライフステージ(マキシサイクル、ミニサイクル)でキャリアの大きな流れと小さな変化を理解し、ライフ・キャリア・レインボーで人生の多様な役割がキャリアに影響を与えることを確認しました

最終回となる今回は、これらの概念を統合し、スーパーの理論の集大成ともいえる「アーチ・モデル」についてみていきます。あなたのキャリア形成をより深く理解するための、具体的なヒントが見つかることを祈念しております。

スーパーって?ドナルド・E・スーパー(Donald E. Super, 1910-1994)は、アメリカ合衆国の心理学者で、キャリア発達理論の第一人者です。スーパーは、キャリア発達が一生を通じて続くプロセスであり、個人の自己概念がキャリア選択に大きな影響を与えると提唱しました。スーパーの理論は、キャリア発達をライフスパン(生涯)にわたるものとして捉え、成長、探求、確立、維持、解放の5つの段階を提唱しました。これにより、個人がどのようにキャリアを形成し、発展させていくかを理解するための枠組みを提供しています。

アーチ・モデルとは

スーパーのアーチ・モデル(The Archway of Career Determinants)は、キャリア発達を支える様々な要素を図解したものです。石造りで表現され、土台を司る基礎、そしてキャリアを支える両側の柱と、その上を繋ぐアーチに見立てて表現されています。

アーチ・モデルは、以下の主要な3つの構成要素から成り立っています

基礎(Foundation)

アーチの土台となる部分で、個人の価値観、興味、能力、自己概念などが含まれます。これらの要素がキャリア選択の基盤を形成します。

左側の柱(Left Pillar):個人を構成する要素(自己概念の内面)

ニーズ、価値観、興味(Needs, Values, Interests - NVI): あなたが何を求め、何を大切にし、何に心を惹かれるか

知能、適性、特殊能力(Intelligence, Aptitudes, Special Abilities): あなたが持つ知的な能力や、特定のスキルを習得する素質

パーソナリティ特性(Personality Traits): あなたの性格や行動パターン(例:社交的、分析的、几帳面など)

これらは、自己概念を形成する重要な要素であり、あなたがどのようなキャリアに魅力を感じ、どのような仕事で能力を発揮できるかを決定づけます。

右側の柱(Right Pillar):社会的な要素(外部環境)

社会(Society): 社会全体の経済状況、労働市場の動向、技術革新、文化、制度など

地域社会(Community): 住んでいる地域の特性、教育機関、産業構造、人間関係など

家族(Family): 家族構成、家族からの期待、家庭内の役割、経済状況など

これらの外的要因は、個人のキャリア選択の機会や方向性を大きく左右します。例えば、社会のニーズの変化によって新しい職業が生まれたり、家族の状況が仕事の選択に影響を与えたりします。

アーチ(Arch):キャリアの統合

アーチ・モデルの頂点に位置するアーチは、まさに自己概念(Self-Concept)そのものです。左右の柱がどれほど強固であっても、このアーチがなければアーチは完成しません。自己概念は、個人の内面的な特性と外部の社会的な要素とを結びつけ、統合する役割を果たします。私たちは、自分の価値観や能力を社会の機会と照らし合わせ、自分らしいキャリアを築いていくことができます。そして、自己概念は固定的なものではなく、ライフステージやミニサイクルを通じて変化し、再構築されていきます。

就職活動を行う大学生の皆様に

アーチ・モデルは、就職活動における自己分析と企業研究の重要性を改めて教えてくれます。左側の柱である「あなたの内面(ニーズ、価値観、能力、性格)」を深く掘り下げると同時に、右側の柱である「社会や業界の動向、企業の文化(外部環境)」をしっかりと理解することが大切です。そして、その両者を繋ぎ合わせる「自己概念」を意識することで、「自分は何をしたいのか」「社会の中でどう貢献したいのか」という、より明確なキャリア像を描いてください。

転職を考えている社会人の皆様に

転職は、アーチの再構築にも似ています。現在のあなたのニーズや価値観が変化しているか、これまでの経験で新たな能力が開発されたかなど、左側の柱を再評価を行ってください。同時に、転職先の業界や企業の社会的要素が、現在の自己概念と合致しているかを見極めることが重要です。アーチである自己概念をしっかりと持ち、変化する内外の要素を統合することで、より満足度の高い転職を実現することに近づきます。

Take-Home Message

これまで4回にわたり、スーパーのキャリア発達理論を段階的に学んできました。自己概念を土台に、ライフステージという時間の流れを捉え、ライフ・キャリア・レインボーで人生の多様な役割を認識し、そして今回、アーチ・モデルを通じて、それら全てが統合され、あなたのキャリアがいかに多層的な要素によって支えられているかを確認しました。した。

私たちのキャリアは、各々の自己概念が両側の柱(個人と社会)を繋ぎ、支える唯一無二のアーチです。このアーチを意識し、常に自己理解を深め、変化する環境に適応しながら、自分らしい、強く美しいキャリアを築き上げていってください。

全4回にわたってドナルド・E・スーパーのキャリア理論をお届けしました。皆様のキャリア形成のお役に立てたのであれば嬉しく存じます。

この記事を書いた人

プロフィール

May 2022~

HCC Japan LLC

CEO

March 1996

Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry

April 1996〜March 2022

Eli Lilly Japan K.K. 

Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator

April 2023~

Waseda University in School of Human Sciences (e-school)

Human Informatics and Cognitive Sciences

October 2023~February 2025

Waseda University Senior High School

Teaching Assistant (Information Technology)

April 2025~

Waseda University School of Human Sciences

Teaching Assistant (Collaborative Learning and the Learning Sciences)

会社概要
-COMPANY PROFILE-

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