キャリア理論05|ハヴィガーストの理論.2

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キャリア理論05|ハヴィガーストの理論.2(壮年期の発達課題)

ハヴィガーストの理論における壮年期とは?

ハヴィガーストが定義する壮年期(Early Adulthood)は、およそ19歳から30歳ごろを指します。この時期は、青年期(〜18歳)を終え、社会的に自立し始めるこの時期は、人生の基盤を形成する重要なフェーズです。ここでは、単に職業を選ぶだけでなく、家庭を築き、社会の一員としての役割を果たす準備を進めます。この多様な適応が、キャリアの出発点として位置づけられます。

ハヴィガーストによる壮年期における発達課題

ハヴィガーストは、壮年期に達成すべき発達課題として、以下のような行動目標を挙げています。

  • 配偶者の選択:人生の伴侶を見つけること。これは単なる相手選びではなく、自己の価値観や将来の展望を深く見つめ直すプロセスでもあります。この選択が、その後の人生やキャリアの方向性を大きく左右します。
  • 配偶者との生活の学習:協力・共感・役割分担を通じて、安定した関係性を築くこと。パートナーとの関係性は、キャリアの成功や人生の満足度に大きな影響を与えます。互いを支え合う関係性は、キャリアにおけるストレスを軽減し、パフォーマンスの向上にもつながります。
  • 第一子を家族に加えること:親としての役割を担い、家庭の新たなステージに適応すること。これにより、家庭のあり方を再構築し、自身の役割や責任を再認識する機会が生まれます。
  • 子どもの養育:教育・しつけ・情緒的支援を通じて、次世代の育成に貢献すること。ワークライフバランスを考えるきっかけとなり、マネジメント能力や忍耐力を養う重要な経験となります。
  • 家庭の管理:経済的・物理的・心理的な側面から家庭を維持・運営すること。家計管理や住環境の整備、家族のメンタルケアなど、仕事におけるプロジェクト管理能力や問題解決力に直結します。
  • 職業に就くこと:安定した職業生活を送り、専門性や責任を果たすこと。自身のスキルや適性を活かして社会に貢献する役割を見つけることが求められます。この時期に築かれるキャリアの基盤が、その後の職業人生を大きく左右します。
  • 市民的責任を負うこと:地域社会や国家の一員として、公共的な役割を果たすこと。投票、ボランティア、地域活動への参加などを通じて、社会貢献度の高い仕事にやりがいを見出すきっかけとなります。
  • 適切な社会集団を見つけること:職場や地域、趣味のコミュニティなど、所属する集団の中で居場所を確立すること。信頼できる人間関係を築き、キャリアにおけるネットワーク形成にも繋がります。

この時期の課題をまとめると以下のようになります。

発達課題キャリアとの接点
配偶者の選択人生設計と職業選択の方向性に影響
配偶者との生活の学習対人関係スキルと職場での協働力
第一子を家族に加えること家庭の再構築と責任感の深化
子どもの養育ワークライフバランスとマネジメント力
家庭の管理問題解決力・計画力の育成
職業に就くことキャリアの基盤形成と専門性の確立
市民的責任を負うこと社会貢献意識と職業の公共性

壮年期における発達課題とキャリア形成との接点

壮年期の発達課題は、キャリア形成において以下のような意味を持ちます。

  • 職業選択と職業適応 : 自分の価値観や能力に合った職業を選び、専門性を高めることで、キャリアの揺るぎない基盤が築かれます。
  • 家庭と仕事の両立 : 家庭生活の安定は、職業生活の安定に直結します。パートナーとの協力や子育ての経験は、職場での人間関係やマネジメント力といった、キャリアに不可欠なスキルにも繋がります。
  • 社会的役割の獲得 : 市民としての責任や社会集団への参加は、キャリアを単なる職務遂行から、より大きな社会的価値を創出へと広げてくれます。
  • 自己理解とキャリアの方向性 : この時期に経験する多様な役割や葛藤は、自己を深く理解し、その後のキャリアの方向性を定める貴重な土台となります。

Take-Home Message

ハヴィガーストが示す壮年期の発達課題は、キャリア形成において「自立と定着」のフェーズを象徴しています。職業選択、家庭形成、社会的責任の獲得といった課題を乗り越えることで、個人は社会の中での居場所を確立し、キャリアの出発点を築きます。この時期に得られる経験は、後の中年期や老年期におけるキャリアの転換や統合に向けた、精神的・社会的な土台となります。壮年期は、単なるキャリアの始まり、つまり「点」ではありません。それは、これからの人生の物語を描き始める「道」としての最も大切な一歩なのです。

次回は「キャリア理論06|ハヴィガーストの理論.3(中年期の発達課題)」として、人生の折り返し地点となる中年期の発達課題と、それがキャリアに与える影響について深掘りしていきます。

この記事を書いた人

プロフィール

May 2022~

HCC Japan LLC

CEO

March 1996

Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry

April 1996〜March 2022

Eli Lilly Japan K.K. 

Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator

April 2023~

Waseda University in School of Human Sciences (e-school)

Human Informatics and Cognitive Sciences

October 2023~February 2025

Waseda University Senior High School

Teaching Assistant (Information Technology)

April 2025~ July 2025

Waseda University School of Human Sciences

Teaching Assistant (Collaborative Learning and the Learning Sciences)

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