キャリア理論05|ハヴィガーストの理論.3
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キャリア理論05|ハヴィガーストの理論.3(中年期の発達課題)
ハヴィガーストの理論における中年期とは?
ハヴィガーストが定義する壮年期(Middle Age)は、およそ30歳から60歳ごろを指します。この時期は、壮年期で築いた家庭・職業・社会的基盤を維持・発展させながら、人生の折り返し地点として自己を再構築するフェーズです。そして、キャリアの面では、専門性の深化、役職の変化、価値観の見直し、そして次世代への継承など、転換と成熟が同時に求められる時期となります。
ハヴィガーストによる中年期における発達課題
ハヴィガーストは、中年期に達成すべき発達課題として、以下のような行動目標を挙げています。
- 子どもが信頼できる幸福な大人になれるよう援助する:子育ての最終段階に入り、教育・進路支援・情緒的サポートを通じて、次世代の自立を支える役割を担います。これは、キャリアにおけるリーダーシップや育成力にも通じます。
- 大人の余暇活動の充実:趣味、学び直し、地域活動など、仕事以外の自己実現の場を持つことが求められます。これは、キャリアの多様性や精神的充足に繋がります。
- 自分と配偶者とをそれぞれの一人の人間として結びつける:長年の関係性を再確認し、精神的なパートナーシップを深めることが重要です。家庭の安定は、キャリアの持続性にも影響します。
- 大人としての市民的・社会的責任の形成:地域活動、政治参加、社会貢献などを通じて、職業を超えた社会的役割を果たすことが求められます。これは、キャリアの公共性や社会的意義を再確認する機会となります。
- 価値観と見合う経済的、職業的水準の維持:収入の安定、資産形成、教育費や老後の準備など、経済的な持続可能性がキャリア選択に影響します。昇進や転職、副業などの判断もこの課題と密接に関係します。
- 中年期の生理的変化への適応:体力の変化、健康管理、働き方の見直しなど、身体的制約への対応が求められます。これは、働き方改革やキャリアの柔軟性に直結します。
- 高齢両親への対応:介護、支援、心理的な距離の調整など、家族内の役割変化に対応する必要があります。これも、キャリアの選択や働き方に影響を与える要因です。
この時期の課題をまとめると以下のようになります。
発達課題 | キャリアとの接点 |
---|---|
子どもが信頼できる幸福な大人になれるよう援助する | 育成力・リーダーシップの発揮、次世代支援としてのキャリアの社会的意義 |
大人の余暇活動の充実 | ワークライフバランスの再構築、自己実現の場としてのキャリアの多様化 |
自分と配偶者とを人間として結びつける | 精神的安定と家庭の支えがキャリアの持続性を高める |
大人としての市民的・社会的責任の形成 | 社会貢献意識の高まり、職業の公共性や地域との関わりの深化 |
経済的・職業的水準の維持 | キャリアの安定性・昇進・転職・副業などの意思決定に影響 |
中年期の生理的変化への適応 | 働き方の見直し、健康管理、キャリアの柔軟性と持続可能性 |
高齢両親への対応 | 介護との両立、働き方の調整、家族責任とキャリア選択のバランス |
中年期における発達課題とキャリア形成との接点
中年期の発達課題は、キャリア形成において以下のような意味を持ちます。
- キャリアの成熟と多様化 : この時期は、仕事を通じて培った経験を次世代に伝承したり、副業やボランティアを通じて新たな役割を獲得したりすることで、キャリアはより成熟し、多角的な広がりを見せます。また、「市民的・社会的責任の形成」や「子どもが自立すること」といった課題に取り組む中で、職場や地域での影響力が高まり、社会貢献とリーダーシップを発揮する機会が生まれます。
- ワークライフバランスの見直しと再構築 : 自身の健康の変化や高齢の両親の介護といったライフイベントへの対応は、働き方やキャリアのあり方を根本から見直す転機となります。柔軟な働き方を取り入れたり、キャリアの方向性を再検討したりすることで、仕事と家庭生活の新たなバランスを見出すことができます。特に、家庭生活の安定は、職業生活の安定に直結するため、パートナーとの協力や子育ての経験は、職場での人間関係やマネジメント力といった、キャリアに不可欠なスキルにも繋がります。
- 精神的成熟と自己理解の深化 : 「中年期の生理的変化への適応」や「大人の余暇活動の充実」といった課題は、人生の折り返し地点での内省を促します。仕事以外の自己実現の場を持つことで、キャリアの意味づけを再考し、自己を深く理解することができます。この時期に直面する課題を乗り越えることは、キャリアの意味づけと精神的な統合に繋がります。
Take-Home Message
ハヴィガーストが示す中年期の発達課題は、キャリア形成において「再構築と成熟」のフェーズを象徴しています。この時期は、過去の経験を活かしながら、未来に向けて新たな価値を創出する転換点です。中年期に直面する様々な課題(子育てからの解放、親の介護、自身の健康の変化など)に主体的に向き合うことは、キャリアのあり方を根本から問い直す機会となります。この問いに向き合うことで、今後のキャリアは単なる職務遂行の連続から、自己実現と社会貢献が融合した、より意味のあるものへと進化していくことが期待できます。
次回は「キャリア理論06|ハヴィガーストの理論.4(老年期の発達課題)」として、仕事からの引退や役割の変化といった老年期の課題が、キャリアの終着点と新たな展望にどう影響するのかについて深掘りしていきます。

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Waseda University Senior High School
Teaching Assistant (Information Technology)
Waseda University School of Human Sciences
Teaching Assistant (Collaborative Learning and the Learning Sciences)
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