キャリア理論05|ハヴィガーストの理論.5
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キャリア理論05|ハヴィガーストの理論.5(発達課題から見えるキャリアのライフサイクル)
ハヴィガースト理論の全体像とキャリア形成への示唆
ロバート・J・ハヴィガーストの発達課題理論は、人生の各ライフステージにおいて達成すべき行動目標を示すことで、人間の成長と社会的適応のプロセスを明らかにしました。この理論は、キャリア形成においても非常に有効であり、「いつ・何をすべきか」という行動指針を与えてくれます。キャリアは単なる職業選択ではなく、人生の発達課題を乗り越えることで形成される自己成長のプロセスです。ハヴィガーストの理論を活用することで、キャリアを「点」ではなく「線」として捉え、ライフステージごとの意味づけが可能になります。
発達課題から見えるキャリアのライフサイクル
ハヴィガーストの理論は、キャリアを絶えず変化し、成長し続ける「ライフサイクル」として捉えます(壮年期以降に焦点を当てています)。
1.壮年期:キャリアの「出発点」
壮年期の発達課題は、人生の基盤を築くことに焦点を当てています。「職業に就くこと」「家庭を築くこと」といった具体的な行動目標を達成することで、キャリアは出発点を迎えます。この時期に得られる経験は、その後のキャリアを支える揺るぎない土台となります。
- キャリアとの接点: キャリアの基盤づくり、自己の専門性確立、ワークライフバランスの基礎構築。
2.中年期:キャリアの「成熟と再構築」
中年期は、キャリアが成熟し、多様な広がりを見せる時期です。「次世代の育成」「社会的責任の形成」「余暇活動の充実」といった課題に取り組む中で、キャリアは単なる個人的な成功を超え、社会への貢献という側面を強く持つようになります。同時に、身体的な変化や家族の介護といった課題は、キャリアを再構築する重要なきっかけとなります。
- キャリアとの接点: リーダーシップの発揮、キャリアの多様化、働き方改革(ワークスタイル・デザイン)。
3.老年期:キャリアの「統合と継承」
老年期は、キャリアの最終章であり、同時に新たな始まりの時期でもあります。「退職と収入の変化への適応」「社会的・市民的役割の受容」といった課題を乗り越える中で、これまでの職業経験を総括し、人生全体を肯定的に受け入れる「統合」のプロセスが進みます。この時期に、仕事で培った知識や経験を次世代に継承することで、キャリアは単なる個人の歴史ではなく、社会への貢献という形で生き続けます。
- キャリアとの接点: キャリアの振り返り、セカンドキャリアの創造、社会貢献を通じた自己実現。
ライフステージ別発達課題とキャリアの接点(総括表)
壮年期以降に焦点を当てています
ライフステージ | 主な発達課題 | キャリアとの接点 |
---|---|---|
壮年期(19〜30歳) | 配偶者の選択、職業に就く、家庭の管理、市民的責任 | キャリアの基盤形成、自立と定着、社会的役割の獲得 |
中年期(30〜60歳) | 子育ての支援、余暇の充実、経済的安定、健康への適応 | キャリアの成熟と多様化、ワークライフバランスの再構築、自己理解の深化 |
老年期(60歳以降) | 引退への適応、生活設計、社会参加、配偶者との関係再構築 | キャリアの統合と意味づけ、セカンドキャリア、社会貢献と継承 |
ハヴィガースト理論のキャリア支援への活用例
キャリアカウンセリング・教育において
- ライフステージごとの課題を明示することで、相談者の現在地と次のステップを明確化できる。
- キャリアの悩みを「発達課題の未達成」として捉えることで、前向きな再設計が可能になる。
組織内の人材育成において
- 年齢やライフステージに応じた支援(例:育児期の柔軟な働き方、定年後の再雇用制度)を設計できる。
- 社員のキャリアを「人生の発達」として捉えることで、長期的な関係性を築ける。
自己理解とキャリアデザインにおいて
- 自分のライフステージに応じた課題を意識することで、キャリアの選択に納得感が生まれる。
- キャリアの意味を「社会との関係性」や「人生の物語」として再構築できる。
Take-Home Message
ハヴィガーストの発達課題理論は、キャリア形成を「生涯発達」の視点から捉えるための、非常に力強いフレームワークです。
私たちはキャリアを、就職や転職といった単発的な「点」の連続として捉えがちです。しかし、ハヴィガーストの理論は、キャリアが壮年期・中年期・老年期それぞれにおいて、異なる発達課題を乗り越える「線」としての継続的なプロセスであることを教えてくれます。キャリアとは、単なる職務の履歴ではありません。
- 壮年期:役割の獲得
- 中年期:自己の再構築
- 老年期:意味の統合
この異なるテーマを乗り越えることで、キャリアは生き方そのものとしての価値を持つものへと進化していきます。
さて、5回にわたって展開してきた「キャリア理論06|ハヴィガーストの理論」シリーズを最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。このシリーズが、皆様のキャリアを見つめ直すきっかけとなり、「今、自分はどのライフステージにいて、どんな課題に向き合っているのか」「これからのキャリアを、どう意味づけていくのか」という問いに、少しでもお役に立てたのであれば嬉しく存じます。
キャリアは、年齢や肩書きに関係なく、自分らしく生きるための道です。ハヴィガーストの理論を通じて、皆様がその道をより豊かに、より納得感を持って歩んでいけることを心から願ってやみません。

この記事を書いた人
プロフィール
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CEO
Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry
Eli Lilly Japan K.K.
Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator
Waseda University in School of Human Sciences (e-school)
Human Informatics and Cognitive Sciences
Waseda University Senior High School
Teaching Assistant (Information Technology)
Waseda University School of Human Sciences
Teaching Assistant (Collaborative Learning and the Learning Sciences)
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