キャリア理論09|シュロスバーグの理論.4
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キャリア理論09|シュロスバーグの理論.4(支援-支援ネットワークをどう活用するか-)
前回の振り返り
前回(シュロスバーグの理論.3)では、外部リソースである「支援(Support)」について取り上げました。適切に助けを求めることは「依存」ではなく「高度なビジネススキル(ヘルプシーキング)」であり、周囲との関係を深めるポジティブなアイテムであることを確認しました。
今回は、これまでに点検した「状況・自己・支援」という資源を総動員して、具体的にどう行動するかという「戦略(Strategies)」を深掘りします。
3つの戦略:転機を切り抜ける武器
シュロスバーグの理論では、転機への対処法を大きく3つのカテゴリーに分けました。状況に合わせてこれらを組み合わせることが戦略に向けての第一歩となります。
- 状況を変える戦略(問題修正型)
転機そのものに働きかけ、状況を改善する行動。
例) 上司と業務内容を交渉する、必要なスキルを習得する、新しい仕事を探す。 - 意味を変える戦略(意味づけ変更型)
出来事の捉え方(リフレーミング)を変え、心理的な負担を減らす。
例)「この異動は成長のチャンスだ」と考える、「今は休むべき時期なのだ」と受け入れる。 - ストレスを管理する戦略(感情調整型)
状況がすぐには変わらないとき、心身の健康を維持することに専念する。
例) 十分な睡眠をとる、趣味に没頭する、瞑想や運動を習慣にする。
戦略の「柔軟性」が成否を分ける
一つの戦略に固執してしまうと、思うように事態が好転しなかった時に「自分はダメだ」と行き詰まってしまいます。シュロスバーグの理論では、複数の戦略を自在に行き来する「柔軟性」こそが、転機を乗り越える鍵であると説きました。そこで、「戦略のシフト(転換)」を考えます。
- 「状況を変える」から「意味を変える」へ
職場の環境を変えようと奔走しても、組織の壁が厚くて動かないことがあります。その時に「無力感」に打ちのめされるのではなく、「今は無理に変える時ではなく、この経験から何を学べるかという『解釈』に集中する時だ」と、戦い方を変えて心を守ります。 - 「意味を変える」から「ストレス管理」へ
「これは成長のチャンスだ」と前向きに捉えよう(リフレーミング)としても、どうしても心が追いつかない時があります。そんな時は、無理にポジティブになろうとせず、「今は考えるのをやめて、体を動かしたり、しっかり眠ることでエネルギーを回復させる(ストレス管理)」ことを最優先にします。 - 「ストレス管理」から「状況を変える」へ
十分に休息し、心が落ち着いてきたら、再び「さて、この状況を少しでも良くするために、誰に相談しようか」と、具体的な行動(状況の修正)へと戻っていきます。
90日プラン:小さな行動を「リズム」にする
3つの戦略を選んだら、それを「いつ、どう動かすか」のタイムラインが必要です。シュロスバーグの理論を実践に落とし込むための「転機適応の90日プラン」を作成しました。これを裏付ける心理学的視点からご紹介します。
- 「静」の期間として、点検・受容・セルフケアに焦点を当てます。
まずは、無理に問題を解決しようとせず、まずは「荒れた心」を落ち着かせ、自分の現在地を正確に把握する期間です。
1〜15日日目(感情のデトックス)
アクション:毎日5分、今の不安や不満を紙に書き出します(ジャーナリング)。
心理的視点:転機の直後は脳が「危機モード」になり、冷静な判断ができません。思っていること、感じていることを文字で書き出すことで、客観視することを目指します。
16〜30日目(4Sの棚卸し)
アクション:本シリーズのワークを使い、状況(Situation)、自己(Self)、支援(Support)をリストアップします。
参考 状況と自己-転機の文脈と自分の資源を見立てる-
参考 支援-支援ネットワークをどう活用するか-
心理的視点:自分の持っている「武器(資源)」を可視化することで、コントロール感を取り戻します。 - 「動」の期間として、小さな実験とリサーチを行います。
いきなり大きな決断をせず、低リスクな「お試し行動」を通じて、どの戦略が有効かを探る期間です。
31〜45日目(支援者への相談)
アクション:最も信頼できる一人に「解決策ではなく、現状を聞いてほしい」と伝え、約束(アポイント)を取り、話す機会をつくります。
心理的視点:「ヘルプシーキング(援助要請)」を行い、自分以外の視点を取り入れます。
46〜60 日目(低リスクな試行)
アクション:例えば「転職を検討中なら、1社だけカジュアル面談を受ける」「副業なら、1時間だけリサーチする」などを行います。
心理的視点:失敗しても痛くない「小さな実験」を繰り返すことで、自己効力感を高めます。 - 「定」の期間として評価・選択・習慣化を行います。
実験の結果を振り返り、新しい状況下での「自分の新しい当たり前」を作っていく期間です。
61〜75日目(戦略の評価とシフト)
アクション:試した行動の結果を振り返り、継続するものと捨てるものの取捨選択をしていきます。
心理的視点:うまくいかなかった戦略は、「鍵が合わなかっただけ」と捉え、別の戦略に切り替えます(戦略の柔軟性)。
76〜90 日目(新しい日常の定着)
アクション:新しい生活のリズムやルーティンを固定する。最後に自分へ「90日間走り抜いたご褒美」を贈るなど達成感を味わいます。
心理的視点:変化を「日常」として脳に再認識させ、ストレス反応を終わらせます。
Take-Home Message
「たった一つの正解を探さなくていい。解決することだけが戦略ではありません。自分を労わることも、立派な戦略です。」
「一つの鍵で扉が開かなければ、別の鍵を試せば良い。そして90日の時間をかけて、ゆっくりとその扉の鍵を探していけば良い。」その柔軟性と時間軸の持ち方こそが、あなたを次のステージへと運ぶ「最強の戦略」となります。
次回の最終回は、「キャリア理論09|シュロスバーグの理論.5(4Sモデルの統合と実践ガイド)として、これまで個別に紐解いてきた「状況・自己・支援・戦略」を一つに編み合わせ、変化の全体像を俯瞰できる「4S統合ワークシート」を作成しましょう。自分自身の現在地を整理するセルフケアとして、あるいは大切な誰かの転機を支える対話のツールとして「使える」を目指します。具体的な活用事例とともに、シュロスバーグの理論を「知っている」から「使いこなせる」を目指します。

この記事を書いた人
プロフィール
HCC Japan LLC
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Waseda University in School of Human Sciences (e-school)
Human Informatics and Cognitive Sciences
Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry
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Teaching Assistant (Information Technology)
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