キャリア理論12|ハンセンの理論.3
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「働くためのアイテム」を探究することで、変化の激しい社会の中で、私たち一人ひとりが、主体的に自身の希望や適性、そして能力を生涯にわたって発揮できるます。私たちの未来をより豊かにするために、キャリアにアイディアというエッセンスを加え、働くためのアイテムを一緒に探っていきましょう。
挑戦し続ける力
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もっと自分らしく生きたい!そう思える社会、そしてより多くの人々が自分自身の人生と向き合い、より豊かな人生を送るきっかけつくりをHCCジャパンはお手伝いします。

キャリア理論12|ハンセンの理論.3(役割は、対立ではなく「調和」へ編み変えられる)
転機のあとに現れる、あの違和感
転機によって人生のキルトが動き始めたあと、
多くの人が次に出会うのは、こんな 説明しにくい感覚 です。
- 仕事と家庭が、ぶつかっている気がする
- 学びたい気持ちはあるのに、時間も余力も足りない
- 余暇や休息が、気づけばすべて後回しになっている
- どれも大切なのに、「全部は守れない」と感じてしまう
これらは混乱でも、迷いでもありません。
サビカスの視点では、
これは 「物語が次の章を求めているサイン」 でした。
これまでの意味づけでは、人生を支えきれなくなったことを知らせる、
内側からの静かな呼びかけです。
そしてハンセンは、ここでさらに一歩踏み込みます。
「その違和感は、
人生の役割(ロール)同士が 今の配置のままでは噛み合わなくなっている
というメッセージである」
つまり、
あなたの中で何かが壊れたのではありません。
人生そのものが、役割の配置を見直す時期に入った というだけなのです。
この「噛み合わなさ」こそが、
理論③で向き合うテーマ 役割を対立ではなく「調和」へ編み変えられる 出発点になります。
ハンセンが扱うのは「役割(ロール)」の世界
ハンセンは、人生を
単なる出来事の連続ではなく、
複数の役割(ロール)を生きるプロセス として捉えました。
私たちは、人生のなかで
一つの顔だけを生きているわけではありません。
日々、いくつもの役割を行き来しながら生きています。
- 学ぶ人(Learning)
- 働く人(Labor)
- 支え、支えられる人(Love)
- 休み、楽しむ人(Leisure)
これらは、
「どれか一つを選べばよい」ものではなく、
同時に存在し、互いに影響し合っている役割です。
ある役割での経験が、
別の役割でのあり方を変えることもあります。
学びが仕事を支え、
家庭での経験が価値観を整え、
余暇がすべての回復力になることもある。
ハンセンが見ていたのは、
そうした 役割どうしのつながり でした。
しかし転機のあと、
これらの役割はしばしば 「対立している」ように感じられます。
- 働く役割が強くなりすぎる
- 家庭の役割が重くのしかかる
- 学びや休息の役割が押し出される
それは、役割そのものが間違っているからではありません。
役割どうしの配置が、今の人生に合わなくなってきた だけなのです。
この「対立して見える状態」こそが、
次に向き合うべきテーマ 役割をどう「調和」へ編み変えていくか
を私たちに問いかけています。
なぜ役割は「対立」してしまうのか?
転機の最中、
人生のキルトはまだ 仮縫い の状態です。
- 働く布が広がりすぎて、学びの布が押し出される
- 家庭の布が重くなり、余暇の布が縫い込めなくなる
- どの布も大切だからこそ、引っ張り合いが起きる
このとき人生は、まだ「完成形」ではありません。
布の位置が定まらず、
一時的に ぎこちなく、動きづらい状態 になります。
ここで強調しておきたいことがあります。
これは、どれか一つの役割が「間違っている」からではありません
むしろ、
すべてが大切だからこそ、
役割どうしが対立して見える。
のです。
ハンセンは、この状態を
「失敗」や「バランスの崩壊」とは見ませんでした。
次の編み直しへ進むための、
ごく自然なプロセスである。
と捉えたのです。
仮縫いの段階では、
違和感が出るのは当たり前。
それは、
人生が 次の配置 へ進む準備を始めたという合図
でもあります。
役割の対立は、
停滞のサインではありません。
変化への準備が整い始めたことを伝える、前向きな兆し なのです。
ハンセンの視点は、「バランス」ではなく「調和」
ここで、ハンセンの理論で重要なポイントが現れます。
多くのキャリア論では
「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が使われてきました。
仕事と私生活を、
うまく配分し、均等に分けること、
いわば 50:50の配分 を目指す発想です。
しかしハンセンは、
この発想だけでは 人生の複雑さを捉えきれない と考えました。
人生は、
常に均等に配れるものではありません。
ある時期は仕事が重くなり、
ある時期は家庭や学びが中心になる。
そこで、ハンセンが目指したのは、
バランス(配分)ではなく、「調和」 でした。
たとえば
- 学び(Learning)が、仕事(Labor)を輝かせる
- 仕事(Labor)が、家庭や大切な人(Love)を支える
- 余暇(Leisure)が、心身の回復力を高める
- 愛(Love)が、すべてのLをつなぎ、意味づける
ここで大切なのは、
どれか一つが主役になり、
他を犠牲にすることではありません。
役割どうしが「競争する」のではなく、
「支え合う関係」へと編み変えられている状態。
これこそが、
ハンセンの言う 統合(Integration) です。
調和とは、
すべてを同じ比率で保つことではなく、
互いが機能的につながり、全体として生きやすくなること。
この視点が加わったとき、
役割の対立は「問題」ではなく、
よりよい統合へ向かう途中段階 として、意味を持ち始めます。
役割を「編み直す」ための問い
役割を「対立」から「調和」へと編み変えるために、
ハンセンは次のような問いを勧めました。
- この役割は、他の役割をどう支えているだろうか?
- 一方で、この役割が私を疲弊させてはいないだろうか?
- 切り離すのではなく、つなげる道はないだろうか?
ここで大切なのは、
役割を「減らす」「諦める」「一つに絞る」ことではありません。
役割どうしの“関係性”を見直すことです。
たとえば、
- 学びが仕事の視野を広げている
- 家庭での役割が、仕事の価値観や判断軸を整えている
- 余暇が、すべてのLを支える「回復の土台」になっている
こうした 支え合いの関係 を見出したとき、
役割は「重荷」ではなく、
人生を支える資源 へと姿を変えます。
役割をこのように配置し直し、つなぎ直すことで、
人生のキルトは、
より深く、美しく、そしてあなたらしい模様へと進化
していきます。
調和とは、今の自分に合った「編み方」を見つけること
ハンセンは、はっきりとこう強調しました。
「すべての人に、同じ調和の形 は存在しない。」
なぜなら、人生は一人ひとり違うからです。
- 人生の段階
- 家族や人間関係の状況
- 心身の健康状態
- 大切にしたい価値観
これらが変われば、
人生のキルトにとって最適な模様も変わっていきます。
昔は心地よかった編み方が、
今の自分には少し窮屈に感じられることもある。
逆に、これまで重かった布が、
経験を経て軽やかに扱えるようになることもあります。
だから大切なのは、
「今の自分に合った編み方を、
何度でも見直していいのだ」
と知ることです。
ハンセンにとっての調和(Integration)とは、
一度完成させて終わる状態ではありません。
その時々の自分に合わせて、
配置を確かめ、縫い直し、試し、また整える。
その繰り返しそのものが、
人生を生きるプロセスなのです。
調和とは、完成形ではなく、
編み直し続けることを許されたプロセス。
この視点を手にしたとき、
役割の葛藤や違和感は、
もはや恐れるべきものではなくなります。
それらはすべて、 今の人生を、よりあなたらしく編み変えるための静かな合図 なのです。
Take-Home Message
役割は、対立するためにあるのではなく、響き合うためにある
転機のあとに感じる
仕事と家庭の葛藤、
学びと時間の衝突、
余暇が削られていく苦しさ。
それらは、あなたが未熟だからでも、
どれかをうまく選べていないからでもありません。
それは、
人生の複数の役割(ロール)が、
「今の配置のままでは合わなくなった」
と知らせているサインです。
ハンセンが教えてくれるのは、
役割を「我慢して両立させる」ことではありません。
- 役割は、切り捨てるものではない
- 役割は、競争させるものでもない
- 役割は、順番に優先されるためだけにあるのでもない
つまり、役割は、編み直すことができ、支え合う関係へと変えていくことができるのです。
バランスとは、配分の問題ではなく、
調和とは、関係性の問題です。
ある役割が
別の役割を弱らせているのなら、
それは 失敗 ではなく、
つなぎ直しを求められている場所 なのです。
そして何より大切なことは――
調和に「完成形」はない、ということ。
人生の段階が変われば、
大切なものも、重さも、配置も変わる。
だから、
今の自分に合った編み方を、
何度でも見直していい。
それを許すことこそが、
ハンセンの言う「統合(Integration)」の本質です。
役割の葛藤は、
あなたの人生が前に進もうとしている証。
その葛藤を、
対立ではなく調和へと編み変えていくとき──
あなたの人生のキルトは、
よりしなやかに、より強く、
そして、よりあなたらしい模様を帯びていきます。
次回は、「キャリア理論12|ハンセンの理論.4(役割の調和は、どこへ向かうのか)」です。
ハンセンの理論.3では、仕事・家庭・学び・余暇といった複数の役割が、
対立ではなく「調和」へと編み変えられることを見てきました。
では、その調和は いったい、どこへ 向かうのでしょうか。
ハンセンの理論は、
「自分が楽になること」だけで終わりません。
役割が調和し始めたとき、
人は自然と、こんな問いを抱き始めます。
「この生き方は、誰と、
どんな世界につながっているのだろう?」
次回の理論④では、
ハンセンILPの核心のひとつである 「社会性」 に踏み込みます。
私たちが考えるのは、次の問いです。
- キャリアは、個人の選択で終わるものなのか
- 私たちは社会の中で、どんな役割を引き受けて生きているのか
- 「善き人生(Good Life)」とは、個人にとって、そして社会にとって何を意味するのか
そして
自分のキルトを編むことと、世界に関わることは、どうつながっているのか。
キャリアを
「成功のための設計図」ではなく、
「世界と誠実に関わりながら生きるための統合的な営み」
として捉えたハンセン。
役割の調和は、
どのように 他者・社会・地球へとひらかれていくのかを、一緒に深掘りしていきます。

この記事を書いた人
HCC Japan LLC
CEO
Waseda University in School of Human Sciences (e-school)
Human Informatics and Cognitive Sciences
Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry
Eli Lilly Japan K.K.
Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator
Waseda University Senior High School
Teaching Assistant (Information Technology)
Waseda University School of Human Sciences
Teaching Assistant (Collaborative Learning and the Learning Sciences)
Certified
National Licensed Career Consultant, 25072525
Medical Management Specialist, Third Grade, 31310119010282
会社概要
-COMPANY PROFILE-
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