キャリア理論11|サビカスの理論.2
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「働くためのアイテム」を探究することで、変化の激しい社会の中で、私たち一人ひとりが、主体的に自身の希望や適性、そして能力を生涯にわたって発揮できるます。私たちの未来をより豊かにするために、キャリアにアイディアというエッセンスを加え、働くためのアイテムを一緒に探っていきましょう。
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キャリア理論11|サビカスの理論.2(キャリア・アダプタビリティ:前編)
前回のサビカスの理論.1では、サビカスは、「適職」という概念に大きな疑問を投げかけ、「人=性格」「仕事=向き・不向き」という静的なマッチングではキャリアは語れないという視点をご紹介しました。サビカスが重視するのは、人が経験に意味を与え、自分自身のキャリアを、物語として編み直していく動的なプロセスです。そのために、ホランドの六角形(RIASEC)を「個人の特性」としてではなく、「自分は何者でありたいか」を表現するための言語として再解釈し、「職業パーソナリティ」という概念を紐解きました。
そして今回と次回では、サビカス理論の中核であり、現代を生き抜くためのキャリアの実践エンジンともいえる「キャリア・アダプタビリティ」を2回に分けて深掘りしていきます。
キャリア・アダプタビリティとは?
サビカスが定義した「キャリア・アダプタビリティ(Career Adaptability)」は、一言で表現すれば 「変化の激しい時代をしなやかに生き抜くための力」です。
しかしこれは、単なる「スキル」「能力」ではありません。
アダプタビリティは、変化や不確実性に向き合う際に
自分の未来をつくるための心理的・行動的プロセスである。
ここで重要なのは、アダプタビリティは「持っている/持っていない」で測るものではなく、「転機のたびに、その都度発揮し、高めていくもの」だという点です。
この概念を深く理解するために、サビカスが敬意を持って継承し、そして大胆にアップデートした先人、ドナルド・スーパーの概念と比較してみましょう。
キャリア理論04|スーパーの理論.1
スーパーの「キャリア成熟」からサビカスの「適応力」へ
ドナルド・E・スーパー(Donald E. Super)は、1950〜80年代にかけて、「人は生涯を通じて職業的に発達する」という画期的な理論を打ち立てました。
スーパーが提唱した「キャリア成熟(Career Maturity)」とは、次のような状態を指していました。
- 発達段階に応じたキャリア課題を適切にこなせているか
- 自分の興味・価値・能力を正しく理解し、職業選択の準備ができているか
- いわゆる「大人として、職業的な完成度を高めているか」を測る概念
しかし、この理論は「安定した雇用と予測可能なキャリアの階段」が前提の時代に成立したものです。
一方、サビカスが向き合ったのは、終身雇用が崩れ、働き方が流動化した21世紀。
そこでサビカスはこう考えました。
完成(成熟)を目指すのではなく、変化し続ける社会にどう適応し続けるかを考えるべきだ。
こうして、現代の荒波を乗りこなすために「キャリア・アダプタビリティ(適応力)」という概念が誕生したのです。
なぜ今、「成熟」ではなく「適応力」なのか?
スーパーが活躍した時代、キャリアは「階段を上る(年功序列)」ようなものでした。
- まず職業を選び
- その道で必要な能力を磨き
- ひとつの組織の中で着実に成長していく
しかし、現代の私たちが直面しているのは、階段そのものが急に消えたり、形を変えたりする現実です。
- 技術革新(AIなど)が既存のスキルを塗り替える
- 組織の寿命よりも、個人の職業人生の方が長くなる
- 役割や職務が数年単位でダイナミックに変化する
つまり、「一度成熟して終わり」の時代ではなく、「変化に応じて自分を作り替え続ける」時代になったのです。
サビカスはキャリアを「完成品」ではなく、変化に合わせて「編み続ける物語」だと再定義しました。
この視点の転換こそが、現代の私たちに最も必要な生き抜くための力となります。
アダプタビリティは「能力」ではなく「プロセス」である
「適応力」と聞くと、コミュニケーション力やストレス耐性といった「個別の能力」を想像するかもしれません。しかし、サビカスが言うアダプタビリティは、より深く、内面的なものです。
「変化に直面したとき、自分で未来をつくり出すために、どんな心理状態・行動を選ぶか」という「過程(プロセス)そのもの」である。
このプロセスを支えるのが、次回の中心テーマとなる「4つのC(適応の4次元)」です。
- 関心(Concern):未来への見通しを持つ
- 統制(Control):自分の人生の舵を自分で握る
- 好奇心(Curiosity):新しい選択肢を探索する
- 自信(Confidence):困難を乗り越えられると信じる(自己効力感)
Take-Home Message
スーパーが示した「成熟」は、安定した社会における「誠実な指標」でした。しかし、変化が常態化した今、私たちは自分を一定の型に当てはめることより、状況に合わせて「広げていくこと」が求められます。
サビカスは、その変化を次のように捉え直します。
- キャリアは、
固定された道ではなく、「自分で編み続ける物語」である。 - 適応力とは、
未来に向けて動き続けるための「心理的エネルギー」である。 - アダプタビリティは、
人生の転機で「自分で選び取り続ける力」である。
そして、ここが最も大切なポイントです。
適応力は、生まれつきの能力ではなく、
今日から育てられる「プロセス」である。
あなたが未来に少し関心を向け、「よし、この小さな一歩は自分で決めてみよう」と思えた瞬間。
そのとき、あなたのアダプタビリティというエンジンは、すでに静かに、しかし確実に回り始めています。
次回は、「キャリア理論11|サビカスの理論.3(キャリア・アダプタビリティ:後編)です。先ほどの、セルフワークで点検した4つの問い。これらこそが、サビカスが提唱した適応力の核となる「4つのC」です。この「関心・統制・好奇心・自信」という4つのリソースを、具体的にどう高めていけばよいのか。明日からの仕事と人生に効く「適応の処方箋」を詳しく解きほぐしていきます。

この記事を書いた人
HCC Japan LLC
CEO
Waseda University in School of Human Sciences (e-school)
Human Informatics and Cognitive Sciences
Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry
Eli Lilly Japan K.K.
Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator
Waseda University Senior High School
Teaching Assistant (Information Technology)
Waseda University School of Human Sciences
Teaching Assistant (Collaborative Learning and the Learning Sciences)
Certified
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Medical Management Specialist, Third Grade, 31310119010282
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