キャリア理論13|転機とキャリア(v2).1
キャリアに
アイディアを
働くためのアイテム
- 1. キャリアに アイディアを
- 2. 転機とキャリア v2 ― ノゾミさんの物語 ―
- 2.1.1. サビカス&ハンセンの理論を実践に
- 2.1.2. ノゾミさんの人生から、理論を読み直す
- 2.1.3. 転機は「出来事」ではなく「意味づけ」
- 2.1.4. キャリアは一度きりの物語ではない
- 2.1.5. 再編集が生む「選び直し」と「踏み出し」
- 2.1.6. あなたの人生は、いまどこを再編集できるか
- 3. Session1|転機は「出来事」ではなく「意味づけ」
- 3.1. ノゾミさんの物語の断片をひらく
- 3.2. 「順調」という名の違和感
- 3.3. 転機は、まだ「出来事」になっていない
- 3.4. 物語の断片を、手のひらに載せてみる
- 3.5. ささやかな気づき
- 3.6. 編集後記|今週の視点
- 3.7. Session2へ
- 4. この記事を書いた人
- 5. 会社概要 -COMPANY PROFILE-
- 6. いらすと すてーしょん
「働くためのアイテム」を探究することで、変化の激しい社会の中で、私たち一人ひとりが、主体的に自身の希望や適性、そして能力を生涯にわたって発揮できるます。私たちの未来をより豊かにするために、キャリアにアイディアというエッセンスを加え、働くためのアイテムを一緒に探っていきましょう。
挑戦し続ける力
自分だけの価値観で、豊かな人生をデザインする。
もっと自分らしく生きたい!そう思える社会、そしてより多くの人々が自分自身の人生と向き合い、より豊かな人生を送るきっかけつくりをHCCジャパンはお手伝いします。


人生には、
あとから振り返ったときに
「意味を持ちはじめる出来事」があります。
このシリーズでは、
57歳の女性・ノゾミさんの人生を手がかりに、
キャリアの転機を「再編集」する4週間を辿っていきます。
まず、この4週間をともに辿る主人公を紹介します。
- ノゾミさん(仮名)
- 年齢: 57歳
居住地: 東京都下
勤務地:在宅勤務と都内出勤のハイブリッド
家族構成:
夫(60歳・定年退職後、再雇用で勤務)
長女(28歳・独立)
次女(22歳・同居 / 今春大学卒業、社会人1年目)
実母は他界
実父および夫の両親はいずれも80歳代

Session1|転機は「出来事」ではなく「意味づけ」

ノゾミさんは、このように振り返りました。

「当時は、これが転機になるとは思っていませんでした」
ノゾミさんの物語の断片をひらく
都心へと向かう下り電車。
窓の外には、見慣れた都下の住宅街が、足早に過ぎ去っていきます。
つり革を握るノゾミさん(57歳)は、
ふと、窓ガラスに映る自分の顔を眺めました。
中堅出版社のベテラン編集者として、
これまで数えきれないほどの「言葉」を世に送り出してきた。
結婚、出産、そして昨年終えた母親の看取り。
どんなに多忙な時期でも、
彼女は持ち前の「粘り強さ」で、
バラバラになりそうな生活の断片を、
一つの形に縫い合わせてきました。
傍目(はため)から見れば、
彼女の人生のキルトは、
非の打ち所がないほど立派に仕上がっているように見えます。
しかし、最近。
そのキルトの端が、
音も立てずに、少しずつ解(ほつ)れ始めているような、
奇妙な感覚に襲われていました。
「順調」という名の違和感
「ノゾミさん、次の企画会議も、期待していますよ」
局長からの言葉に、
いつものように笑顔で頷く。
部下の育成も順調、
家庭では、この春、次女が大学を卒業し、
社会人としての第一歩を踏み出しました。
夫との関係も、悪くありません。
すべてが「予定通り」で、
すべてが「順調」なはずでした。
それなのに、
朝、パソコンを開く瞬間、
あるいは、夕食の支度を終え、
ふと静まり返ったリビングに立つ瞬間に…。
ノゾミさんの心には、
冷たい隙間風のような問いが吹き抜けます。
「私は、このまま定年の65歳まで、
今の『続き』を演じ続けるだけでいいのだろうか?」
それは、
何かが壊れたわけでも、
何かを失ったわけでもありません。
ただ、
これまで自分を支えてきた
「物語」が、
今の自分に、少し合わなくなってしまった。
そんな、
まだ名前のつかない感覚でした。
転機は、まだ「出来事」になっていない
多くの人は、
リストラや離婚、あるいは大きな病気といった、
目に見える衝撃的な出来事だけを、
「転機」と呼びます。
しかし、
キャリア理論家サビカスは、
少し深い視点を持っていました。
ノゾミさんの身に、いま起きていること。
それは、
世間一般が定義する「危機」ではありません。
彼女の転機は、
まだ「出来事」にすらなっていないのです。
それは、
これまでノゾミさんを動かすアイテムであった、
「母として、社員として、娘として、役割をきちんと果たす」という人生の役割が、
そろそろ終わろうとしている、というサインでした。
役割に追われていた時間が過ぎ、
ふと立ち止まったとき。
このとき、
その先で自分は、
何者として、
どんな言葉を語ればいいのか。
そのための
「新しい言葉」を、
ノゾミさんはまだ、持っていません。
決してノゾミさんはいま、
行き止まりに立っているのではありません。
「これまでの自分」と、
「これからの自分」のあいだに横たわる、
名前のない空白地帯に、
立っているのです。
物語の断片を、手のひらに載せてみる
ある週末。
ノゾミさんは、
何気なく立ち寄ったカフェで、
小さなノートを広げました。
そこに、
今の自分を形作っている
いくつもの「断片」を、
とりとめもなく書き出しました。
出版社で、
粘り強く続けてきた仕事。
母親の介護に、
最後まで寄り添えたという、
静かな自負。
もうすぐ、
自分が「必要とされなくなる」のではないかという、
かすかな恐怖。
学生のころ、
もっと「心」のことや
「情報の仕組み」を知りたいと思っていた遠い記憶。
ノゾミさんはまだ、
これらをどう繋ぎ合わせればいいのか、
分かりません。
けれど、
ノートに書き出した瞬間、
何かが、ほんの少しだけ文字が浮かび上がったかのように感じました。
ささやかな気づき
転機は、何かが起きるのを待つことではない。
今ここにある断片に、新しい名前をつけ直すことから、
始まるのかもしれない。
ノゾミさんの「再編集」は、
ドラマチックな決断からではなく、
ノートに書き出した文字が、
ささやかな気づきの一針(ひとはり)を生んでいきます。
編集後記|今週の視点
ノゾミさんが抱いた、
「言葉にならない引っかかり」。
あなたの中にも、
似たような「まだ名前のない違和感」はありませんか。
それは決して、
今のあなたが否定されているわけではありません。
むしろ、あなたの人生という物語が、
「次の章へ進みたい」と
そっと知らせているサインかもしれません。
Session2へ
次週のSession 2では、
この違和感をどう読み解き、
人生をどう「語り直して」いくのか。
キャリア理論家サビカスは、
キャリアを「どの職業を選ぶか」ではなく、
「自分の人生を、どんな物語として語っているか」という視点から捉えました。
人生の途中で、
これまでの語り方では先に進めなくなったとき、
人は違和感を覚えます。
そして、その違和感を手がかりに、
自分の物語を語り直していくプロセスに移行します。
Session 2は、
このサビカスの理論を補助線に、
ノゾミさんの再編集の核心へと迫っていきます。
キャリアをもう一段、深く考えていきます。

この記事を書いた人
HCC Japan LLC
CEO
Waseda University in School of Human Sciences (e-school)
Human Informatics and Cognitive Sciences
Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry
Eli Lilly Japan K.K.
Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator
Waseda University Senior High School
Teaching Assistant (Information Technology)
Waseda University School of Human Sciences
Teaching Assistant (Collaborative Learning and the Learning Sciences)
Certified
National Licensed Career Consultant, 25072525
Medical Management Specialist, Third Grade, 31310119010282
会社概要
-COMPANY PROFILE-
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"いらすとすてーしょん"は独自のタッチで描いた
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