キャリア理論11|サビカスの理論.3

キャリアに
アイディアを

働くためのアイテム

「働くためのアイテム」を探究することで、変化の激しい社会の中で、私たち一人ひとりが、主体的に自身の希望や適性、そして能力を生涯にわたって発揮できるます。私たちの未来をより豊かにするために、キャリアにアイディアというエッセンスを加え、働くためのアイテムを一緒に探っていきましょう。

挑戦し続ける力

自分だけの価値観で、豊かな人生をデザインする。

もっと自分らしく生きたい!そう思える社会、そしてより多くの人々が自分自身の人生と向き合い、より豊かな人生を送るきっかけつくりをHCCジャパンはお手伝いします。

Information

「キャリア理論11」では、マーク・L・サビカス(Mark L. Savickas)が提唱した「キャリア構築理論(Career Construction Theory)」の世界を探求します。

急速に変化し、正解のないVUCAの21世紀社会において、キャリアはどこかにある正解を「探す」ものではなく、自らの手で「意味づけ、構築するもの」へと進化しました。本シリーズでは、これまでの特性因子論的な「適職探し」を一歩進め、あなたという人間が持つ一貫性を再発見していきます。

“私はなぜ、あの時この道を選んだのか?”
“これから、どんな「私らしい物語」を綴っていきたいのか?”

過去の断片的な経験を、未来へと続くひとつの「ストーリー」へと統合していく旅。自分の人生の主導権を取り戻し、変化を乗り越えるための新しい知恵を、全4回にわたってお届けします。

キャリア理論11|サビカスの理論.3(キャリア・アダプタビリティ:後編)

前回のサビカスの理論.2では、変化の激しい時代を生き抜くための心理的エネルギー「キャリア・アダプタビリティ(適応力)」の全体像をお伝えしました。サビカスが説くこの力は、後付けで習得する単なる「スキル」ではありません。不確実な未来を前にしたとき

あなたがどのような「姿(あり方)」でそこに立っているか。

日々の小さな習慣を通じて、自分の中に育てていく、そんな「未来へのスタンス」そのものです。

今回は、そのスタンスを形づくる4つの要素(4C)を、明日からの仕事と人生で使えるレベルまで具体的に解きほぐします。

  • 関心(Concern):未来への見通しを持つ
  • 統制(Control):自分の人生の舵を自分で握る
  • 好奇心(Curiosity):新しい選択肢を探索する
  • 自信(Confidence):困難を乗り越えられると信じる(自己効力感)

ここからは、それぞれのCを 「どうすれば高まるのか?」 に絞って解説します。

関心(Concern):未来への「視線」を上げる姿

関心とは、自分の未来に対して「何が起きるか」を予見し、準備しようとするスタンス。

  • スタンスが乱れると
    将来を考える気力がなくなる、足元だけを見て「やらされ感」で動くようになります。
  • スタンスが整うと
    「ちょっと先の未来」に視線が上がり、「今の選択が未来につながる」感覚が生まれます。

関心を高める3つの実践ワーク

①「3ヶ月後の自分」の一文を書く(30秒でOK)

未来は遠いと見えません。まずは3ヶ月後が最適。

  • 「3ヶ月後、私は企画会議で必ず1つは意見を言っている」
  • 「3ヶ月後、私は業務を抱え込まず、1つは任せている」

→ 「言語化した瞬間」脳は未来を意識し始めます。

② ToDoより「Willリスト」を1つ作る

今日やるべきこと(ToDo)ではなく、「やりたい未来」= Will を1つだけ書く。

  • 「英語でプレゼンができるようになりたい」
  • 「新規の顧客獲得に挑戦したい」

→ Will が未来への意識を育てるスパイスになります。

③ 自分の「未来への質問」をつくる

質問は、行動より強力な問いかけ。

  • 「私はどんな働き方をしたい?」
  • 「次に伸ばしたい『力・スキル』は、なんだろう?」

→ 質問こそ、未来に意識を向けるスイッチです。

統制(Control):自分の人生の舵を握る姿

統制とは、「自分の人生の責任は自分にある」と信じ、主導権を他人に渡さないスタンス。

  • スタンスが乱れると
    誰かの評価や環境のせいにし、受動的で「流されている」感覚が強くなります。
  • スタンスが整うと
    どんな状況下でも、「ここは自分で決める」という手応えと誇りが生まれます。

統制を高める3つの実践ワーク

①毎日1つ「自分で決めること」を選ぶ

どれだけ小さくてもOK。

  • 今日の服を「わたし」が決める
  • 会議の冒頭で「わたし」から発言する
  • タスクの順番を「わたし」が選ぶ

→ 主体性は「小さな決定」の積み重ねで育ちます。

② やらされ感の中に「1%の自由」を見つける

仕事の中に「選べるポイント」は必ずあります。

  • 資料づくり → 順序を「わたし」が選ぶ
  • 接客 → 「わたし」の声かけのトーンを選ぶ

→ 1%の自由を見つけるだけで、統制感が生まれはじめます。

③ 判断に迷ったら「私が選びたいのはどっち?」と問う

効率や正解ではなく「自分の意思」を基準にする練習。

  • 「わたし」が選びたいのはどっち?と「自身」に問う

→ 小さな自己決定の積み重ねが、統制という強い立ち姿をつくります

好奇心(Curiosity):世界を面白がって眺める姿

好奇心とは、新しい情報や選択肢に対して心を開き、未知を探索しようとするスタンス。

  • スタンスが乱れると
    今のやり方に固執し、変化を「リスク」として恐れ、守りに入ってしまいます。
  • スタンスが整うと
    変化を「試す機会」と捉え、軽やかに一歩を踏み出すことができます。

好奇心を高める3つの実践ワーク

①月に1つ「初めて」をつくる

難しいことは不要。とにかく「初めて」であればOK。

  • 初めてのカフェに行く
  • 聴いたことのない音楽を聴く
  • 新しいアプリを試す

→ 新しい行動は、新しい脳の回路をつくります。

② 今の仕事に「別の視点」を足す

少しの視点追加で、見える景色が変化。

  • 営業 → 「心理学」の視点を学ぶ
  • 事務 → 「UX」の視点を探る
  • 企画 → 「データ」をいつもとは異なった視点で分析する

→ 視点を1つ変えるだけで、世界は一気に広がります。

③ 興味がなくても「3分だけ」関心をもつ

興味が湧くのを待つのではなく、まず動いてみる。「行動のあとに好奇心がついてくる」という順番を体験しましょう。

3分だけやる → 未来への扉が拓きだします。

自信(Confidence):一歩を踏み出す自分を信じる姿

自信とは、困難に直面しても「自分なら解決できる、道をつくれる」と信じるスタンス。

  • スタンスが乱れると
    ミスを恐れてすくみ、自分を過小評価してチャンスを逃してしまいます。
  • スタンスが整うと
    完璧でなくても「まずはやってみよう」という自己効力感が湧いてきます。

自信を高める3つの実践ワーク

①今日の「できたこと」を3つ書く

成功である必要はありません。「できたこと」でOK。

  • 会議で質問をした
  • メールを丁寧に返した
  • 無事に今日を終えた

→ 出来たという事実が、自信の土台をつくります。

② 過去の自分から勇気を「借りる」

過去の自分の奮闘を、今の自分を支える「背もたれ」に!

  • あのときの「失敗」を乗り越えられたなぁ
  • あのときの「人間関係」を改善できたなぁ
  • あのときの「苦手な業務」ができるようになったよなぁ

→過去の自分は、最強の味方です。

③ 一歩踏み出した「事実」を残す

「事実」は何ものにも変え難い「姿」がそこにあります。

  • 手帳に
  • スマホのメモに
  • AIとの対話記録

→ 行動の蓄積は、未来の自信という資産になります。


Take-Home Message

「サビカスが提唱する「4つのC」は、特別な才能ではありません。

  • 関心(Concern):未来への見通しを持つ
  • 統制(Control):自分の人生の舵を自分で握る
  • 好奇心(Curiosity):新しい選択肢を探索する
  • 自信(Confidence):困難を乗り越えられると信じる(自己効力感)

この4つのスタンスを日々意識し、整え続けることで、あなたのキャリアは「外から与えられる運命」から「内から紡ぎ出す物語」へと変わっていきます。

適応力とは、強靭な筋肉ではなく、変化の波をしなやかに捉えるための「美しい立ち姿」

そのものです。

Success

セルフワーク
今日この瞬間で、
「4つのCのうち、どれか1つ」 を意識してください。

そして今週末に、そのCを体現できた瞬間を 一文で書き残してみてください。
その一文が、あなたのキャリア物語の確かな1ページになります。

次回は、「キャリア理論11|サビカスの理論.4(ライフテーマと物語への統合)です。職業パーソナリティ、アダプタビリティと学んできたサビカス編の完結回。一見バラバラに見えるこれまでの「姿」を、いかにして「ひとつの物語(ライフテーマ)」として統合していくのか。いよいよ、あなたの物語の核心に迫ります。

この記事を書いた人

プロフィール

May 2022~

HCC Japan LLC

CEO

April 2023~

Waseda University in School of Human Sciences (e-school)

Human Informatics and Cognitive Sciences

March 1996

Tokyo University Of Agriculture in Faculty of Bioindustry

April 1996〜March 2022

Eli Lilly Japan K.K. 

Sales & Marketing
Sales Manager
Sales Operator

October 2023~February 2025

Waseda University Senior High School

Teaching Assistant (Information Technology)

April 2025~ July 2025

Waseda University School of Human Sciences

Teaching Assistant (Collaborative Learning and the Learning Sciences)

会社概要
-COMPANY PROFILE-

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